さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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それだけなのに。



ただの知り合い

「今度パーティーがあるのだが、一緒に出てくれないか?」

 

そう頼まれた、もしくはそんな誘い…のはずだった。

 

(どういうことなの!?)

 

嗚呼、確かに、確かにパーティーではあるさ!

でも僕が思ってたのは今みたいな何か地位ありそうな人がいっぱいじゃなくて気心の知れた人が集まるようなものだったんだよ!

なのに!!

 

(ウッソだろオイ)

 

僕を連れてきた当の本人は、文句を言ってはいけないと思っているが家の関係とかあれこれの関わりだろう…の人々と話している。

そして僕はと言うと、

 

(何で僕こんな所にいるんだろう……)

 

と、現実逃避を始めている。

だってそうだろう? パーティーだぞ?

しかもただのパーティーじゃないぞ?

偉い人とか偉い人とか偉い人とかが来るようなやつだぞ!?

そんな所で一人ポツンと壁の花になっているのは誰だって辛いだろう……?

いや、まあ確かにね? 僕だって最初はちょっとワクワクしてたよ?

でもさ……ほら……ねぇ……?

……いや、うん。もう良いや。

もうどうにでもなーれ☆って気分だ…と、ぼうっとしていると。

 

「バレットさん?」

「んぇ?」

 

唐突に呼ばれた己の名に顔を上げると、そこには本来なら異国の地にいるはずの知り合い-名をグローリーゴア-がいた。

「どうしてここに?」と聞こうとしたら、グローリーゴアは僕の唇に指を当てて「しー」と合図した。

そして小さな声で話す。

 

「一応仕事なんですが…騒がれて正体バレると面倒なことになりそうなので」

「へぇ…。あ、ホントだね。いつもと髪型とか違うし」

「はい」

「ん?そういやスーちゃんは?」

「……。今日は僕ひとりです」

「ふぅん?」

 

本来なら一緒にいてもおかしくない僕のきょうだいが見たところいないのを不思議に思うと、グローリーゴアは顔を少し顰め、そして「あ」と声を漏らした。

 

「どうしたの?」

「……いえ……何でもありません」

「そう?なら良いけど……」

 

何だか腑に落ちないが、まあ本人が何でもないと言っているのだから大丈夫なのだろう。

それよりも今はグローリーゴアくんだ。

僕は気になっていたことを聞いた。

 

「そういえばさ、スーちゃんは元気してる?」

「ええ。とても元気ですよ」

「そっかぁ!そりゃ良かった!」

 

コソコソしながらもニコニコ話していると「失礼」という声が。

 

「…私の連れに何か用でも?」

「えぇ、少しばかり用が」

 

今まで僕を放っていた今回の下手人が帰ってきて、僕の肩をぐいとそちらの方に引き寄せる。

だがグローリーゴアくんも負けていないようでしっかと僕の手を掴んでは、ふたりじっと見つめあっている。

 

(…掴むのはいいんだけど痛いなあ)





僕:
シルバーバレット。
家族の縁で米三冠バ(グローリーゴア)と気軽に話せる関係性にいる。
しかもめちゃくちゃ話してるし、話してる途中に笑ったりする。
…こりゃあ、焦りますわよね〜。
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