さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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The "Silver Bullet" is back!


"英雄"の帰還

シルバーバレットの蹄鉄を見つけた。

探し続けていたらもう十年近くが経っていた。

ふたつに割れた蹄鉄を墓に供えに行こうという話をしていた時、JRAの職員からとある話を持ちかけられる。

 

「シルバーバレットの、」

「引退式…?」

 

そうです!と強く頷いた職員から後日手渡されたのは分厚い計画書。

それに篭った熱意に白銀創と白峰遥は気づけばその話に乗っていた。

 

シルバーバレットの蹄鉄が発見されたことは大ニュースとなって世界中で放映されており、その流れでJRAは翌年の秋にシルバーバレットの引退式をすると大々的に報道した。

ただの、それも遠い昔に亡くなった競走馬の引退式のチケットであるのに売れ行きは凄まじいらしく、収容人数を大幅に超えるだろうと。

 

「やっぱり、すごい馬だったんだな」

 

ぽつりと白銀創が呟いた言葉に誰もが「そうですよ!」と呼応する。

シルバーバレットの引退式に合わせて彼のヒーロー列伝のポスターが作成され、彼のCMを作るために『The LEGEND』、『The WINNER』に続く『The HERO』という新シリーズを作る、と。

もうてんてこ舞いである。

それでいて、シルバーバレットという馬はなんて愛されているのだろうと誇らしくなった。

 

 

その日は快晴。

シルバーバレットの引退式はそれはもう盛大に行われた。

聞いたところによるとオグリキャップの引退レースであった有馬記念以上に人が入っている可能性があるらしい。

現地以外にもネット配信が行われており、そちらも多くの人々が見ているのだという。

シリーズCMの『The HERO』の評判も上々。

だが、ジャパンカップのCMは未だ放映されておらず。

その対象の競走馬がどの馬かなど、言わなくても誰もが分かっていた。

期待渦巻く引退式の中で、"彼"のためのCMが堂々と披露される。

 

 

The HERO

ジャパンカップ

 

90年 ジャパンカップ

 

その日、僕たちはひとつの夢の結実を見た。

どこまでも、どこまでも駆け抜けてゆくその姿は誰よりも傷だらけで。

そうして走り続けた苦難の日々が大きな喝采へと変わる。

───世界が、お前を待っていた。

 

栄光は運命に抗う者にこそ輝く。

 

その馬の名は─────シルバーバレット。

 

最速の蹂躙者。

その時、世界は追いすがることさえ許されなかった。

 

次の『英雄(ヒーロー)』は誰だ。

ジャパンカップ

 

 

そのCMは後世、JRAが作成したCMの中でも一二を争う傑作だと評されることとなる。

また『The HERO』というCMシリーズが"シルバーバレット"という馬のために作られたことも、誰もが知る有名な話となるのだった…。

 




僕:帰ってきた"英雄"。
蹄鉄が見つかったのが202×年代と想定。
誰もが帰りを待っていた競走馬。
引退式は既に亡くなっている馬主と主戦騎手の代わりに馬主の息子である白銀創と主戦騎手の甥である白峰遥が出た。老齢である当時の調教師も「シルバーバレットのためなら」と来てくれた。
引退式は盛大に行われ、列伝ポスターや彼のCMを作るために『The HERO』というシリーズが作成されたりした。
引退式は東京競馬場で行われたが、入り切らないほどの観客だった模様(ウマ娘人気もそれに与したとかしなかったとか…)。
ネットの方でも引退式の模様は配信されており、スパチャとか凄かったらしい。
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