仲良しのよしみ。
「シーちゃん!」
昼寝がてら日向ぼっこしていたところかけられた明るい声によっと起き上がれば、そこには可愛がっている後輩のハルウララがいた。
僕の素性を知ったあとも変わらず慕ってくれる彼女は、僕にとって救いであった。
「どうしたの? 」
「えっとね、今日はもう練習終わったんだ〜!だからシーちゃんに会いに来たの!」
そう言って笑うハルウララこと、ハルだが、その笑顔にはどこか陰があるように見える。
それに気づかないほど僕も鈍くはない。
けれど聞くべきか、聞かぬべきか悩んでいると…。
「また、契約解除されちゃった…」
「…」
「わたし…」
そう言ってハルウララは俯いてしまう。
その目には大粒の涙が浮かんでおり、今にもこぼれ落ちそうだ。
そんな彼女の姿を見て、僕は覚悟を決めた。
「そんなことないよ」
「え?」
僕の言葉を聞いた途端、彼女は驚いたように顔を上げる。
沈みかけた彼女に言い聞かせるように言葉を続けた。
「キミはダメなんかじゃないよ」
「……でも、だって」
「確かにハルは周りより遅いけど。でも、それはキミが頑張っていない理由にはならないよ」
「……」
「僕は知ってる。ハルが毎日遅くまで練習していることも、一生懸命に努力していることも。だから自信を持ってほしいんだ」
「シーちゃん……うん!ありがとう!」
僕の言葉を聞いた途端、彼女は満面の笑みを見せた。
その笑顔を見てホッとすると同時に、僕も嬉しくなる。
やはり彼女には笑顔が似合うと思ったからだ。
とはいえ、
「…まぁ、何とかなるだろ」
*
「じゃあ、一緒に走ろうか」
「うんっ!」
パァァ…!と輝く顔ににこりと笑いながらシルバーバレットはハルウララと走り出す。
はじめはその光景にみな目を剥いたものだが、当の本人が「面倒見ることにした」「一緒にトレーニングすることになったの!」と嬉しそうに言うものだから、次第に受け入れられた。
「ねぇシーちゃん!」
「うん?」
「わたしね!今とっても楽しいの!今までずっと一人だったから寂しかったけど……今は違うんだ!」
そう言って彼女は笑う。
その笑顔はキラキラと輝いており、とても眩しかった。
それをシルバーバレットは愛おしそうに見やっては、ヨシヨシと頭を撫でたあと「今度は芝で走ろうか」と提案する。
「うん!行く!」
元気よく返事をして、二人はまた走り出す。
そんな二人を見守るように温かな風が吹いたのだった。
(それはそうと、だいぶハルも芝で走れるようになってきたな…)
(中距離でもまあ何とかなる体力もついてきたし、このまま行けば長距離も走れるようになりそうだね)
僕:
シルバーバレット。
善意。
一緒に走るだけで良い方向に適正がイジイジされる系ウッマ。
たぶんこのウララちゃんは有馬チャレンジも凱旋門賞も行けたりする子になるでしょうね…(白目)。