さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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※ちゃんと無事です。



ずっとふたりきりでいたいの。

「シロガネハイセイコ」

「───────、」

「これは、いったい、何のつもりだ?」

 

ひとつひとつ区切った言葉は、口調こそ優しいものの声音とその目はひどくひどく冷えきっていて。

ぢっと自分を見つめる刃のような眼差しに、シロガネハイセイコは恐れを感じると同時にまた……歓喜していた。

 

その日、シロガネハイセイコは親愛で最愛なる父-シルバーバレットを()()()()()

異常なまでに勘のいいシルバーバレットに気づかれないように、細心の注意を払い、入念に準備を重ね。

そしてついにその機会は訪れた。

シルバーバレットが油断している今この時こそが、シロガネハイセイコの勝機であった。

 

「ねえ、聞いているかい?」

 

けれどシルバーバレットは決して動揺を表には出さない。

いつも通りの冷静な口調で、いつもの通りに振る舞う。

変わりない父の姿に、シロガネハイセイコは内心ほくそ笑むと同時に少しだけ悲しくなった。

 

(……ああ、まただ)

 

()()()()()()()、まだ父の心をこちらに向けるのには足りないのか。

自分がシルバーバレットに抱く感情と、シルバーバレットが自分に抱く感情は違う。

そんなことはシロガネハイセイコだってとっくに分かっている。

けれどそれでも、シロガネハイセイコは父を愛さずにはいられなかった。

 

「はあ、」

 

何度問いかけても答えてくれない我が子に痺れを切らしたのか、シルバーバレットは再度深くため息を吐く。

そんな父の姿にシロガネハイセイコはついに観念し、その口を開いた。

 

「お父さまの心配するようなことは何もありませんよ。みんな無事です」

「……」

 

ニコリと、人好きのいい笑みを見せるものの、それを見つめるシルバーバレットの目は冷ややかなまま。

『それで?』と言外に問うシルバーバレットに、シロガネハイセイコは続ける。

 

「お父さまが気にかけるようなことはありませんよ、()()()。……まあ強いて言うなら、少々予定より早いですが」

 

そう答えてもなお、シルバーバレットは何も言わない。

ただ静かに自分を見つめる父の瞳に、シロガネハイセイコの背筋はゾクリと震えた。

 

(ああ、やっぱり)

 

やはり父は気づいている。

自分の()()()()()を。

そしてそれを知りながら尚もシロガネハイセイコは、足掻くような、遊ぶような心地で口を開く。

 

「ねえ、お父さま」

「なんだい?」

「ぼくはね、お父さまが大好きなんです」

「……うん?」

 

唐突な告白にシルバーバレットは首を傾げるが、それでもシロガネハイセイコの口は止まらない。

 

「だからね、ぼくはお父さまのことが大好きだから……だからどうしても、どうしてもっ! お父さまに見て欲しかったんですよ!!」

 

そう叫んだ途端、シロガネハイセイコはぎゅうとシルバーバレットをしめた。

ずっといたかった。

ずっとふたりきりでいたかった。

シロガネハイセイコはいつだって、あの頃の子どものまま。

自分を救ってくれた父さん(かみさま)を求めていたというのに。

でも。

 

「おとうさん、だぁいすき」





【銀色のアイドル】:
シロガネハイセイコ。
我慢できなくなっちゃった☆
大人ぶってるけど大部分が子どものまま。
自分を救ってくれた神様であり父親である僕に依存をキメまくってるためヤベェ。
本人もそのヤバさについての自覚はあるが改めるつもりはないし、そもそも依存されてる方の僕もそれに気が付かなかったから…。
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