さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なので…?



パパ大好き!

「父さん」

「どうしたの?レイ」

「ん〜」

「はいはい」

 

ぎゅうと抱きついてきた我が子にシルバープレアーはニコニコと笑う。

普段クールな子なので、こうして素直に甘えてくることは珍しい。

 

「今日は甘えん坊さんなの?」

「うん」

「そっか〜」

 

シルバープレアーはレイこと、シルバアウトレイジを抱きしめて、背中をポンポンと優しく叩く。

すると、レイが顔を上げて言った。

 

「父さん……俺……」

「なぁに?」

「……ううん。何でもない」

 

何かを言いかけたレイだったが、首を振ってまたシルバープレアーの胸に顔を埋めた。

そんな我が子を見て、シルバープレアーは首を傾げるのだった。

 

 

シルバアウトレイジ含め、家族にしか笑みを見せなかったシルバープレアーが笑みを見せたのはシルバアウトレイジの知らないウマの前であった。

シルバープレアーいわく、『同期でありライバル』とのことだが…。

 

(…む、)

「レイ?どうしたの?」

(ぎゅうう〜)

 

シルバアウトレイジは、気に食わなかった。

『英雄』だか何だか知らないが、シルバープレアーはシルバアウトレイジの父であるから。

 

「レイ…?」

 

ぜったい、渡さないからな!!

 

 

「…なんてこともありましたよね」

「うっせ」

「先輩がプレアーさんのこと大好きなのは有名ですから」

「大好きじゃない」

「でも、好きではあるくせに」

「…」

 

昔のことを持ち出され、シルバアウトレイジは【飛行機雲】のことをちょっと抓る。

幼なじみであるふたりは、よくこうして昔話に花を咲かせる。

 

「昔っからプレアーさんにべったりでしたよね」

「そんなことない」

「あ〜でも、僕が仲良くなりましょうって言った時『ヤダ』って言われたの忘れてませんからね!?」

「…うるせぇ」

 

耳元で叫ばれたのに渋い顔をするものの、【飛行機雲】のボルテージが上がりきったままなので、シルバアウトレイジは諦めて話を続ける。

 

「あーあ、昔はあんなにかわいかったのに〜」

「どこが」

「本当ですよ?!あの頃の先輩、ホントに美少女だったんですから!!」

「へーへー。中性的な格好してて悪ぅございましたね」

「いや、別に悪くはないんですよ?」

「は?」

 

シルバアウトレイジが怪訝な顔をすると、【飛行機雲】はにんまりと笑って言った。

 

「だって、プレアーさんと一緒にいる幼先輩、めっちゃ眼福だったんで」

「……お前なぁ!!」

「あははっ!!先輩顔真っ赤ですよ〜?か〜わいい〜」

「うっせぇ!黙れ!!」

 

顔を真っ赤にしたシルバアウトレイジとそれを揶揄う【飛行機雲】の図はいつもとは逆で。

 

「チッ」

「あだぁっ!?」





【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
いい子。
家族大好き。
なので自分たち家族や家族扱いの人にしか笑顔を向けない父が知らない相手(【英雄】)に笑顔を向けていたのを見て「ムッ」とした。
お父さんは俺のなのに…(ムスッ)。
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