さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そして落ちたんだね〜。



罪深ェ〜…!

シンボリルドルフというウマ娘をシルバーバレットが面倒を見るようになったのはよくしてもらった先輩からの『頼みごと』ゆえという理由ももちろんあるのだが。

 

「ちょっと待った〜!!」

「…」

「話し合お?話し合お?ね???」

 

そのシンボリルドルフというウマ娘が気も強ければ、従わぬのならこちらが上と見せつけて従わせるのみという、「今いつの時代だ?」といっても過言ではないやり方ですべてを推し進めようとするので放っておけなくなったのだ。

それが王のやり方だと言われればそれまでだが、そんなの続けて後にあるのはそんな王を打ち倒す革命だとかそういうので。

シルバーバレットはシンボリルドルフのやり方が気に食わなかった…というよりも。

 

「もっと話し合いなよ〜」

「…面倒だ」

 

シンボリルドルフ(かのじょ)に、()()()()()()()()()()()のだ。

いくら彼女が現時点でも大人たちから一目置かれている存在であろうとも、シルバーバレットから見たシンボリルドルフはまだ庇護されるべき年頃の女の子だ。

いくら強くても、強くあろうとしても、彼女は()()()()()()存在なのだ。

そんな女の子が傷つくのを見たくないと思うのは当然だろう。

 

「……」

 

しかし当のシンボリルドルフからすればその扱いは不服だったようで、頬を膨らませて拗ねているではないか。

 

(……そういうとこだぞ)

 

シンボリルドルフがそんな顔をするものだから、どうにも独りにできなくなる。

周りがどれほど彼女を氷のように冷酷な王だと見ようとも、自分は、自分だけはその氷の下を知ってしまっているものだから、どうしても放っておけなくなる。

 

「シルバー……私はただ……」

「別にルドルフのやり方にケチつけてるわけじゃないって」

「じゃあどうして」

(う〜ん)

 

が、シンボリルドルフは納得しない。

シルバーバレットが自分を気にかけてくれることは嬉しいし、ありがたいと思う。

けれどシルバーバレットはシンボリルドルフのことを庇護対象と見ているようで、それが気に食わないのだ。

そんな扱いをされて喜ぶはずがないだろうに。

 

「……君が私の面倒を見るのは()()か?それとも」

 

言いかけて、口を手で覆う。

それに続くはずだった言葉は何なのか。

無意識の内に吐きかけたそれを今となってはもう知る由もないが、言ってしまったが最後、シルバーバレットはシンボリルドルフの傍から離れるのではないかと。

思ったの、だが。

 

「義務とかじゃなくて……その」

「……うん」

「僕はルドルフが大事だから、傷ついて欲しくないんだよ」

「……え?」

 

シルバーバレットの言葉に、シンボリルドルフはフリーズする。

 

(大事って)

 

シンボリルドルフ(わたし)が?

そんなまさかと否定しようにも、シルバーバレットの目は真剣で、それが冗談でもなんでもなく本心からの言葉だと訴えかけてくる。

 

(私が大事だって)

 

そんなことを言われたのは初めてだった────。





僕:
シルバーバレット。
キレてるナイフ時代の【皇帝】のお目付け役。
力こそパワーと言わんばかりの方法で相手を従わせようとする【皇帝】に唯一苦言を呈していた存在。
そのため何やかんやと生徒会が今の状態に落ち着くまで重宝されていたらしい。
本人としては何で【皇帝】にここまでされるようになったのか不思議に思ってそう。
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