さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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たまには甘やかしたいらしい。


いつまでも可愛い子

シルバーバレットには下に12人のきょうだいがいる。

そのすべてが年子なので幼い子は本当に幼いのだが、

 

「…リリィ?」

「なんだ」

「え、いや…その……?」

 

シルバーバレットは、抱っこされていた。

抱っこされて、膝の上に乗せられていた。

その相手はシルバーバレットの母であるホワイトリリィで。

妹にされるならまだいいけれど、この歳で親に膝に乗っけてまで抱っこされるのはいささか恥ずかしい。

 

「あ、あの……えっと」

「なんだ?」

「お、重いから……」

「軽いぞ?ちゃんと食べてんのか?」

「う、うん」

「……そうか」

 

ホワイトリリィはシルバーバレットの頭を撫でて、優しく微笑む。

そんな母の様子にさらに恥ずかしくなってしまい、つい顔を背けてしまった。

 

(うう……)

 

母に抱き上げられること自体は嫌ではないけれど、やはり恥ずかしさが勝る。

 

(な、なんか変な気分……)

 

しかしそんな我が子の羞恥心なぞいざ知らず、ホワイトリリィはやさしくシルバーバレットを触るばかり。

 

「リリィ、あまり触らない方が…。嫌がってる…」

「え?」

「あ、いや……」

 

嫌がってるぞ、と言おうとした父の声が母の眼差しに黙殺される。

抱っこされている側からは見えないが、それほどまでにホワイトリリィの眼差しは鋭かったのか…。

 

「そうか?嫌がっているようには見えないぞ」

「……そ、そうか……」

「あぁ」

(……こ、怖いよぅ)

 

シルバーバレットは内心涙目である。

そんな我が子の様子にも気づかずに、ホワイトリリィは優しく語りかける。

 

「なあチビ?」

「……なに……?」

「私のこと好きか?」

「……うん」

「ん」

 

お礼を言うホワイトリリィだが、やはりその目は鋭く、シルバーバレットの柔いモチモチほっぺたをモチモチする手の動きも止まるところを知らない。

 

(うぅ……)

「リリィ、そろそろ……」

「ん?あぁ」

 

ホワイトリリィはシルバーバレットを膝から降ろして立ち上がる。

そして父に抱っこされて、ようやく解放されるシルバーバレット。

「何でまた抱っこされるんだろう」と思うシルバーバレットの頭を撫でながら、父は優しく語りかける。

 

「ごめんなチビちゃん」

「……ううん」

 

父の謝罪の言葉に首を振って答えるが、その目は母に向けられている。

その視線に気づいたのか、ホワイトリリィも再び我が子を抱き上げようとするが……。

 

「アッアッアッ、もういいです…」

「だってよ、リリィ」

「ンだと、私は嫌か」

「…だってお母さんじゃん」

「パパならいいのかパパなら」

「…うん」





僕:
シルバーバレット。
大きくなっても親から幼児だと思われてる系ウマ。
きょうだいの中で一番甘やかされてそう。
他きょうだいはある程度の年齢になると大丈夫だなって太鼓判押されるけど銀弾だけは押されない謎。
まぁ危機感なかったり何だりが理由なんでしょうがね。
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