さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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【銀の祈り】女の子軸。



祈るは少女

俺たちは生まれながらにして許嫁だった。

そもそも父親からして仲がよく、また幼い頃の俺が『けっこんして!』と求婚していたのもあり、『(前々から考えてたけど)ならそうするか〜』という軽い感じで。

 

「プレアー」

「なぁに?」

 

二歳年上の幼なじみ。

ふわふわとした長い芦毛の髪に、透き通るような白い肌。

小さな顔にはくりっとした大きな目と、桜色の唇。

けれど、…ぼんやりした性格なのが玉に瑕か。

類まれな美人なのだからもう少し周りを警戒してくれと思うのだが、「みんなやさしいのに?」と不思議そうに首をかしげるばかり。

 

「プレアー、これ」

「…ありがとう」

 

俺が差し出したのは小さな包み。

中身は市販のクッキーだ。

彼女は甘いものに目がないので、こうしてちょくちょくプレゼントしている。

……まぁ、そのほとんどを結局俺が食べることになるが……。

でも幸せそうに食べる顔を見ていると、なんだかこちらまで幸せな気持ちになれるから不思議だ。

そんな俺の幼なじみの名前はシルバープレアーという。

 

 

「ぉ、お待たせ、しました…」

 

そう顔を真っ赤にしたプレアーが嫁いできたのは、もう現役を退いて随分と経った頃だった。

いつになったら俺のモノになるのかという思いもナアナアになってしまう程には彼女の現役期間は長く、しかも時間を経るにつれその美しさが増していくものだから難儀したものだ。

…というのも、今は昔。

 

「おかえりなさい、あなた」

「とーた!」

「おう、ただいま」

 

出迎えたシルバープレアー(俺の妻)がふにゃりと笑い、()()()()()()シルバアウトレイジが俺に抱きついてくる。

 

「おかえぃ〜!」

 

とてとてと駆けてきた小さな体を抱き上げる。

……すっかり大きくなったな。

 

「ただいま、レイ」

「ん!」

 

俺の腕の中で笑う我が子は、本当に幸せそうだ。

シルバアウトレイジはプレアーによく似た芦毛の髪をしている。

そして顔立ちも俺とプレアーを足して二で割ったような姿形だ(ただし目だけは完全に親父や俺似)。

……本当に、ここまで来るのに。

 

「あなた」

「……ん?」

「おかえりなさいのキスは?」

「ああ」

 

俺はそっと妻の頬に口付ける。

すると妻はくすぐったそうに笑い、シルバアウトレイジもきゃっきゃと笑っていた。

 

 

「すきだ」と言われたから、別に嫌だと思わなかったからそうなった関係だった。

けれども、年月を経るにつれ、私は彼に強く惹かれていくことになる。

 

「プレアー」

「なぁに?」

 

シルバアウトレイジを寝かしつけ、夫婦の寝室に戻った夫を出迎える。

彼は私の腕の中に飛びこむように入ってきて、それからふにゃりと顔をほころばせる。

 

「すきだぞ」

「……ふふ、」

 

これで「私も」なんて漏らしたら、

 

(どうなる、かな…?)





【銀の祈り】:
シルバープレアー♀。
鞍上・成績は変わらないが性格が祖母の【銀色の運命】似で無自覚に周りを手のひらの上でコロコロする。
幼なじみの【夢への旅路】と許嫁で、後に産駒として【銀色の激情】を産む。
なのでこの世界線では【銀色の激情】は【夢への旅路】産駒である。
それはそれとして銀弾♀軸と同じで色々な相手と産駒を成しつつ…裏でめっちゃ取り合いされてそうだあ。
また史実嫁(アサビケシン、【夢への旅路】産駒)とは仲のよい友だちしてる。

【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
この世界では【夢への旅路】産駒。
それ以外は鞍上も戦績も変わらない。
でも正史より微妙にホワッ…としてるかも?
母親が母親なので。
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