さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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どちらかと言えば強そうではある…けど?



のんべんだらり

「おはよう、ザンさん」

 

いい匂いがして、しかし二日酔いの頭でフラフラとしながら台所に行くと先に起きていたらしい友人が朝食を作っていた。

 

「…食べられる?」

「ン」

 

「インスタントでごめんね」と出されたのはしじみの味噌汁で、それ以外にも食べるのに時間はかからないがそれでも栄養素はちゃんとしている朝食を出された。

 

「ン、うまい」

「よかった」

 

二日酔いの頭痛で食欲もそんなになかったがそれでも味噌汁はおいしく、「おかわりもあるよ」というのでありがたく全部飲んだ。

 

「…お前は、酔わなかったのか」

「セーブして飲んでたからネ。止めてもガブガブ飲んでたのはザンさんの方だよォ?」

「う゛ッ、」

「絶対明日そうなるから止めとけって止めたのにナ〜」

 

ケラケラと笑う友人を恨みがましく睨みつければヒラヒラと手を振られる。

 

「ま、今日はゆっくりしてなよ。二日酔いに効く秘伝の薬もらってきてたから」

「……助かる」

「ンー」

 

味噌汁を飲み終わったところで件の薬(効き目はバツグンだがクソ苦い&それ用のゼリーで味誤魔化そうにも貫通してくる)と水をもらい、それを飲んでいれば友人は台所へと戻っていく。

それを見送っているとピンポーンとチャイムが鳴るのが聞こえた。

 

「ん?」

 

誰だ?と思いながら玄関の方を見ていればもう一度チャイムが鳴らされる。そして外から聞こえてきたのは聞き慣れた声だった。

 

『ザンさーん』

 

その声に「あぁ…」と合点がいったのも束の間、「迷惑かけてんじゃねぇぞ親父ィ!」と聞きなれた少女の声が聞こえてきた。

 

「やァ、リリィ。おとーさんはどっちかと言うと迷惑かけられてる方なんだけどナァ」

 

よっと台所から顔を出してきた友人に突っかかるのは彼の愛娘であるホワイトリリィだ。

おおかた、父と娘の二人暮しの癖に朝になっても一向に帰ってこない父を迎えに来たのだろう。

 

「ザンさん、大丈夫ゥ?」

「ああ」

「ンー。じゃあリリィはほら、学校行きな?おとーさんはちょっとザンさんとお話してからちゃんと帰るからサ」

「……分かった」

 

不服そうにしながらも頷くホワイトリリィに友人が苦笑していれば彼女はパタパタと玄関へと駆けて行きそのまま出て行ったらしい。

 

「マ、多少マシになるまで面倒見るからさ。…約束したぶん、あの子が帰ってくるまでに家戻んなきゃだけど」

「ん〜」

「こらこら」

 

友人の背中に縋りつけば、ぺちぺちと頭を叩かれる。

「離してよう」と言われるがぎゅうううとそのまま抱き締める。

 

「…もう」





【神讚】:
ザンさん。
お酒には強い方だが友人の方がもっと強い模様。
…というか、友人と飲む時だけストッパーが外れるとか。
友人はちゃんと止めてるんだけどね。
それはそれとして二日酔いになって世話焼かれるのに満更でもない顔してそう。
確信犯…。
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