さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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…らしい。



好みは一緒

その日、ホワイトリリィが小さくなった。

話を聞くに彼女の家系では極たまにあることらしく、「明日には治ってると思うヨ〜」と穏やかに笑う義父にそういうものかと受け入れる。

義父が焦っている=…なのだ、こういう時は。

 

「小学校高学年ぐらいかな?可愛いねェ〜♡」

「親父…」

 

義父の腕に抱かれ、うりうりと頬擦りを受ける幼い彼女は見るからに呆れた顔をしている。

 

「…おじいちゃん、どうするの?」

「とりあえず今日はぼくらが面倒見るヨ。チビは学校でしょう?」

「うん……でも」

「大丈夫だって!何かあったら連絡するから!」

 

そう義父に言われて渋々と学校へ向かう我が子を玄関で見送り、さてどうしたものかと考える。

この状態のホワイトリリィは今までの記憶があるのだろうか?

それとも記憶も退行しているのか?

そもそも彼女は俺のことを覚えているのか?

そんな疑問を抱きながら家の中をうろうろ歩き回ってからリビングへ戻ると、小さな彼女がソファに座ってテレビを見ていた。

 

「……」

「……」

 

気まずい沈黙が室内に落ちる。

お互いちゃぶ台を挟んで座布団に正座している状況で見るニュースは何とも言いようがなく、俺はテレビを消してホワイトリリィに話しかけた。

 

「あの、」

「……なに?」

「今日、学校は……?」

「あるけど休む」

「あ、そう……」

 

そりゃあそう。

いや会話終わるな!と内心自分にツッコミを入れる。

しかし何を話せばいいのか分からず視線を彷徨わせていると、目の前の小さな彼女が口を開いた。

 

「アンタの名前は?」

「え?ああ……えっと……ヒカルイマイだよ」

「……ふーん」

 

自分から聞いてきたくせに興味のなさそうな返事だ。

いやまあいきなり未来に飛ばされて、そしたら知らんやつが家にいる!ってなったら誰でもそうなるか。

 

「えっと、ホワイトリリィちゃん」

「……なに?」

「お腹空かない?ご飯作るから一緒に食べるか?」

「……」

 

無言でこくりと頷いた彼女の頭をひと撫でしてからキッチンへ向かう。

冷蔵庫を開けて食材を取り出しながら何を作ろうかと思考を巡らせた。

 

(……オムライスでいいか)

 

子どもが好きそうなメニューを頭に思い浮かべながら料理に取り掛かる。

すると背後に気配を感じて振り返ると、そこには彼女が立っていた。

 

「どうした?」

「べつに」

 

そう言いながらも控えめに服の裾を掴んでくるのにはいつもの彼女を思い出して心臓が変なリズムを奏でる。

 

「何か手伝うことある?」

「いや、大丈夫だけど……」

「じゃあ見てていい?」

「……ああ」

 

彼女の申し出に頷いてから再び調理を再開する。

その間彼女はずっと俺の隣に立って手元を見ていた。

 

(……なんか緊張するな)

 

いつも隣にいる彼女が小さくなっただけでこんなに意識してしまうものなのかと不思議に思いながらも手は止めない。

出来上がったオムライスを食卓に並べて二人で向かい合って座ると、ホワイトリリィはじっとこちらを見つめてきた。

 

「食べないのか?冷めるぞ」

「……いただきます」

 

ふたり食べ始めるものの、またもや何の会話もないのに気まずくなる。

美味しくなかっただろうか…と不安に思うもそのまま…。

 

 

「や、リリィ」

「…そっかそっか。ふぅん」

「イマイくんとリリィが出会うのはもうちょっと後だけどネ」

「アッ!?痛い痛い!パパ叩いても何も変わらないよォ!?いてっ!!」





【白百合】:
ホワイトリリィ(小)。
どこに出しても恥ずかしくない美少女。
でも基本はガキ大将なので同年代に表立って好意を向けられることはない。
「アイツのこと、ないわ〜」みたいな。

ちな今回未来に飛んだ結果、未来の伴侶(【電撃の差し脚】)に会った結果一目惚れ。
そのために言葉少なだった。
早く【電撃の差し脚】に会いたいお年頃となった。
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