同じ光に、焼かれたの。
「はぁ…はぁ…」
僕には、『才能』がなかった。
いつか見た、ビデオの中の一番上の兄さんのような『才能』が。
「……」
僕が憧れた兄さんはあれだけ速く芝の上を走っていたというのに。
僕はと言うと、
いわゆる『適正外』という生まれ持った、自分ではどうしようもできない壁。
それでも、僕は走ることを諦めなかった。
小さい頃の記憶であれど、脳裏に鮮烈に焼き付いたビデオの中で、誰よりも速く、誰よりも力強く走るその姿に憧れたから。
『どうせ無理』…でも、僕は。
だから僕は走った。
練習は嘘をつかないと信じて。
いつかきっと僕もあの場所に立てる日が来ると信じて……。
そんな日々の中、僕の運命を大きく変える出来事が起こったのは、僕が小学4年生に上がったばかりの頃だった───。
「はじめまして」
その日もその日とて、足に合わない芝を懸命に走っていたところ、見知らぬ男性に声をかけられた。
「僕は白峰と言います」
「あ……ぼ、僕は……」
突然のことに戸惑う僕に、その人は優しく微笑みながら言った。
「あなたの走りがとても素晴らしいものでしたので……つい声をかけてしまいました」
「……え?」
僕が……?
こんな僕なんかの走りを見てくれた人がいたなんて……。
僕の驚きをよそに、その人はさらに続ける。
「よろしければお名前を教えていただけますか?」
「さ。サンデー。サンデー…スクラッパ、です」
「そう。サンデースクラッパ、さんですか」
その人──白峰さんが中央トレセン学園のトレーナーだと知ったのは出会いから一年ほどあとのことだったが、白峰さんとの出会いによって、僕の悩みはめざましい速度で解決していったのは、今思えば言うまでもないもので。
「キミならなれる」
白峰さん、だけだった。
僕の夢を笑わなかったのは。
僕の夢を、『憧れるのはいいけれど』と軌道修正してこなかったのは。
僕なら、なれる。
そう、言ってくれたのは。
だから僕は、
「よろしくお願いします白峰さん。いや、───トレーナーさん」
己と同じ願いを持つ────そんな『悪魔』の手を取った。
*
あの子が█ぬワケなんてないのだ。
だって、今まで自分に降り掛かる苦難すべてを振り払って、逃げ切っていた子なのに。
「…認めない」
どうして。
どうして
あれほどあの子を持ち上げたくせに、祀りあげたくせに、
「ゆるさない」
あぁ、そうだった。
…今の僕にあるのは、ただそれだけ。
たったの、それだけ、で。
このコンビは似た者同士だろうなって気持ちのLArcローテ√。
トレーナー・担当バともに互いを自分の願いを叶える『悪魔』として見ている。
決してカミサマとは呼ばない。
だってカミサマは、カミサマと読んで許されるのは…。