さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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同じ光に、焼かれたの。



認めないのは同じ穴の

「はぁ…はぁ…」

 

僕には、『才能』がなかった。

いつか見た、ビデオの中の一番上の兄さんのような『才能』が。

 

「……」

 

僕が憧れた兄さんはあれだけ速く芝の上を走っていたというのに。

僕はと言うと、()()()()()()()が、周りの同年代のウマと比べると…ビリになってしまうという有り様で。

いわゆる『適正外』という生まれ持った、自分ではどうしようもできない壁。

それでも、僕は走ることを諦めなかった。

小さい頃の記憶であれど、脳裏に鮮烈に焼き付いたビデオの中で、誰よりも速く、誰よりも力強く走るその姿に憧れたから。

『どうせ無理』…でも、僕は。

だから僕は走った。

練習は嘘をつかないと信じて。

いつかきっと僕もあの場所に立てる日が来ると信じて……。

そんな日々の中、僕の運命を大きく変える出来事が起こったのは、僕が小学4年生に上がったばかりの頃だった───。

 

「はじめまして」

 

その日もその日とて、足に合わない芝を懸命に走っていたところ、見知らぬ男性に声をかけられた。

 

「僕は白峰と言います」

「あ……ぼ、僕は……」

 

突然のことに戸惑う僕に、その人は優しく微笑みながら言った。

 

「あなたの走りがとても素晴らしいものでしたので……つい声をかけてしまいました」

「……え?」

 

僕が……?

こんな僕なんかの走りを見てくれた人がいたなんて……。

僕の驚きをよそに、その人はさらに続ける。

 

「よろしければお名前を教えていただけますか?」

「さ。サンデー。サンデー…スクラッパ、です」

「そう。サンデースクラッパ、さんですか」

 

その人──白峰さんが中央トレセン学園のトレーナーだと知ったのは出会いから一年ほどあとのことだったが、白峰さんとの出会いによって、僕の悩みはめざましい速度で解決していったのは、今思えば言うまでもないもので。

 

「キミならなれる」

 

白峰さん、だけだった。

僕の夢を笑わなかったのは。

僕の夢を、『憧れるのはいいけれど』と軌道修正してこなかったのは。

僕なら、なれる。

そう、言ってくれたのは。

だから僕は、

 

「よろしくお願いします白峰さん。いや、───トレーナーさん」

 

己と同じ願いを持つ────そんな『悪魔』の手を取った。

 

 

あの子が█ぬワケなんてないのだ。

だって、今まで自分に降り掛かる苦難すべてを振り払って、逃げ切っていた子なのに。

 

「…認めない」

 

どうして。

どうして世界(お前ら)あの子の█(ソレ)を易々と認めるのだ。

あれほどあの子を持ち上げたくせに、祀りあげたくせに、()()()()()()()()()()()!!

 

「ゆるさない」

 

あぁ、そうだった。

…今の僕にあるのは、ただそれだけ。

たったの、それだけ、で。





このコンビは似た者同士だろうなって気持ちのLArcローテ√。
トレーナー・担当バともに互いを自分の願いを叶える『悪魔』として見ている。
決してカミサマとは呼ばない。
だってカミサマは、カミサマと読んで許されるのは…。
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