さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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よく食べる。



ぐぅ〜

オグリキャップは義家族に可愛がられている。

素直で純朴な彼を、家族はみんな大歓迎だ。

 

「お腹すいた…」

 

そんな彼は誰もが知るように健啖家で。

よく『ぐーきゅるるる〜』と悲しげに腹の虫を鳴かせている様子に食べさせるのが好きな義家族が黙っているわけもなく…?

 

「キャップくん」

「はい…」

「ご飯食べるか?」

「!」

 

一番好きなご飯は妻であるシルバフォーチュンが作るご飯だが、彼女の家族が作るご飯も人によって微妙に味付けが違うのでこれまた味わい深い。

 

「はい、いただきます!」

「そうか。じゃあそっちで…」

「やったー!!」

 

ぴょんこぴょんこと跳ねるように歩くオグリキャップ。

見るからにウキウキの彼を見て、他の義家族もいつものことと見守り。

この光景が日常と化していたある日のこと……。

 

『ぐーきゅるるる〜』

 

またも腹の虫を鳴らしたオグリキャップはしょんぼりとしていた。

 

「お腹すいた……」

 

そんな彼に妻であるシルバフォーチュンが声をかける。

 

「ドーナツ食べる?」

「食べる…」

「おからで作ったものだけど…。あなたの食べる量ならあんまし関係ないかもね、そういうの」

「おいひい」

「食べながら喋らない」

「ふぁい……」

 

もぐもぐとドーナツを食べるオグリキャップ。

……とはいえ、餌付けされすぎると太り気味になってしまうのだけど。

 

 

「キャップくん、走ろっか」

 

気づけば、ふっくら()としてしまったオグリキャップに、シルバフォーチュンの兄であるシルバーバレットが彼を(ダイエットがてらの)ランニングに誘う。

ふっくら()していると言っても、元は一端のトップ層の競走バ。

万全時のトップスピードからは落ちるとはいえ、普通に着いていける程度には速い。

 

「あはは、やっぱりいい走りをするね」

「ありがとう!」

 

とはいえ、トップスピードは落ちているし腹回りの肉のせいで動きにくそうではある。

 

「早く体、元に戻しなよ〜。そうでないと僕もキミも本気で走れないじゃない」

「!…あぁ!」

「おっ、いいねぇ」

 

先行くシルバーバレットに追いつくようにオグリキャップがスパートをかける。

その気配を感じ取って、シルバーバレットも逃げるようにスピードをあげる。

家の敷地内に作られた簡易的なレース場ではあるが、見る人が見れば垂涎物のそのレースはご飯だと家族に呼ばれるまで何度も休憩を挟みつつ続いたのであった。

 

「明日もまた走ろうねぇ」

「はい!」

「でもとりあえずはご飯かなあ。今日も美味しいんだろうなあ」

「…(じゅるり)」





【芦毛の怪物】:
オグリキャップ。
よく食べ、よく寝る。
健啖家が好きな義実家に可愛がられ、結構な頻度で丸くなっているとか。
とはいえ走ってすぐ治してるんですけどね。
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