そしてまた、焼かれるのか。
"星"に焼かれたと知っているのに。
その"星"に焼かれた燃えカスを、愛してしまった。
けして自分を見ることのない、燃えカスを愛してしまった。
「…」
光を塗りつぶされたその瞳は今も"星"を夢見ているのだろう。
その瞳は、今も"星"を夢見て輝いているのだろう。
「─────」
だから、そんなのは許せない。
そんなものは愛じゃない。
それは自己愛ですらない。
自分が愛したウマが、たとえ自分以外がその事実に気づいていないとしても、そんなものを認めるわけにはいかないのだ。
……だって、報われないではないか。
あの子が愛したものは何の価値もない幻で、誰も彼も救われないなんて間違っている。
……そう、この感情は間違っている。
『××!』
一目でも、こっちを振り返って欲しかった。
煩わしそうな一瞥だけでもいいから、こっちを見て欲しかった。
───その間違いをただ突きつけるために、この脚は前に進むのだ。
「─────」
……そうして、あの子は独りになった。
誰もいなくなった暗闇で、あの子はずっと待ち続けるのだろう。
いつか"星"が墜ちてくることを夢見て、独りきりで待ち続けるのだろう。
そんなのは間違っているから。
"星"なんてどこにもないのだから。
……だから、その前に自分が行ってあげないと。
だって、自分はあの子に───。
*
"星"を見た。
美しい、"星"を見た。
きっと、一目見れば誰だって焦がれるだろう一等星。
ギラギラ、ピカピカ、煌々。
そう、輝いて。
「────」
その光に、目を焼かれていくのを感じた。
早く目を逸らさなきゃいけないと思った、が。
「────」
目を離すことが、出来なかった。
焼き付けたかった。
焼き焦がされるとしても。
この一瞬に、"あの人"の姿を永遠に閉じ込めたかった。
"星"は墜ちてこない。
そんなことは分かっている。
だから、その光に手を伸ばすのだ。
・
・
・
「あ───」
意識が戻る。
自分が何をしているのかを思い出す。
……そうだ、自分は何をしていたんだっけ?
何かとんでもない夢を見ていた気がするが、よく思い出せない。
……まあ、思い出せないということはきっと大したことじゃないんだろう。
そんなコトより今はもっと重要なコトがあるし、そっちを先に片付けないと。
(はやく、諦めればいいのに)
いつも通りにトレーニングしようとする自分を止めてくる誰かにそっとため息をつく。
一日でもトレーニングを休んだら、その分あの"星"から遠ざかってしまうのに…。
「はぁ、」
塵と言っても火の粉ですので。
触れたそこから火がつくような。
そんな。