なお。
「キミ、僕のこと好きすぎじゃないかい?」
「悪い?」
間髪入れずに返ってきた言葉に破顔する。
相も変わらず僕が好きすぎる親友は今日も今日とて僕にひっつき虫しては周りを威嚇している。
「もう」
「…」
僕と親友には結構な体格差があるのであれよあれよという間に、僕の体勢は抱きかかえられるぬいぐるみのようになって。
「こら」
「相思相愛だからいいでしょ?」
「公衆の面前だってば」
スリスリ抱き締められたり、触れるだけのキスをされるのに、僕は呆れながらも彼の好きなようにさせてあげる。
「キミは僕のだから」
「はいはい」
「はい、は一回だよ?」
「はーい」
「……うん、いい子だね。じゃあ行こうか」
「どこに?」
当たり前のように差し出された手を取って立ち上がりながらそう問えば。
「僕らの家」
と返ってきたのに思わずジト目になる僕。
「……はぁ」
「そんな僕が好きなくせに?」
あっけらかんとした返しにまたため息をつく。
あからさまで、それでいて狂気的な愛を受け止めて、受け入れてしまった僕も僕だけど、際限なくソレを与えてくる相手も相手だ。
「はぁ」
「はいはい、行くよー」
手を引かれて、2人で歩き出す。
「ねぇ、親友」
「なんだい?」
「……愛してる」
「僕もだよ、キミは僕のだからね!」
「うん……」
2人して言葉以上に重い愛を囁きながら歩く道すがら。
僕は思う。
(……もう、戻れないなぁ)
そんな僕も親友も。
もう戻る場所などないのだと。
そう悟ってしまって、僕はまたひとつため息を吐くのだった。
*
誰よりも孤高に輝く星が落ちてきて。
それを手に入れてしまったものだから、誰にも取られないように威嚇する。
けれど星本人はそのことにまったく自覚がなくて、周りを威嚇する僕に呆れるような、困ったような、それでいて仕方ないなというような顔をする。
それがまた可愛くて、愛おしくて、僕のものになったのだと実感できて嬉しくて。
「ねぇ」
「ん?」
「愛してるよ」
「……うん」
そんなやり取りをしながら2人して歩く道すがら。
僕は思う。
(離さない)
どれだけキミが火傷するほど熱くとも。
薔薇の棘のように尖って、握り締めると手に傷がつくとしても。
それでも僕はキミを手放す気はない。
「愛してる」
「分かってるよ」
「キミは僕のだから」
「はいはい」
ぎゅうと強くその手を握り締めれば、優しく力が返ってくる。
…ああ、こんなに僕よりか弱いくせに。
「キミこそ、」
────僕以外、見ちゃダメだよ?
「…分かってるよ」
「よろしい」
お互いに友情()を抱いているふたり。
積極的なのは【栄光を往く者】の方だけれど…?