さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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多分自分でも分かってない。



好みは?

「この年頃らしいなあ」と思う僕は老けているというか、なんて言うか。

同い年であるはずなのに、眼下で告白している見知った顔を見ると、どこか微笑ましい顔になってしまう。

 

(お、)

 

そうしていると告白を了承してもらったらしく。

二人揃って照れたような動作をしているのに僕の顔もニッコリとする。

 

「なに見てるの?」

「ん?まあね」

 

ポンと肩を叩かれたのに振り返れば、そこにはクラスメイトの幾人か。

まだ帰ってなかったんだと告げれば、「キミが来ないからだよ」なんて。

 

「にしてもそんな大所帯で来なくてもいいじゃない」

「だってねえ」

「そうそう。こんな【ゴニョゴニョ】なこと、見逃す手はないって」

「いや、別に面白いことなんてないよ?」

「いやいや、いつもさっさと来るのがシルバーなのにさ。なのに来ないから」

「そりゃあ悪かったけど」

 

チラリと視線を戻すと、先程まで見守っていた二人はもういなくなっていて。

そのままデートにでも行ったのかしらと、僕は「ふう」と息を吐く。

 

「にしても、シルバーの好みってどんな人なの?」

「え?」

「年上じゃないか?」

「……なんでさ」

「だってお前、年下よりは大人びた感じの子が好きだろ?」

 

そう言って例に出されたのは国語の担当である女性教師の名で。

確かに僕から見たら彼女は少しばかり大人びているし、好みかと言われればそうかもしれない。

でもそれはあくまでも『見た目』の話で。

 

「さあね」

「え〜、言えよ!」

「なんでさ」

「友達だろ?!」

「友だちの好みなんて聞いても面白くないだろ…」

 

何でそんなに僕の好みを聞きたがってるんだコイツらは。

見るからに興味津々と「興味無いですよ」って顔しながらも耳はこっちに向けてるヤツらと。

 

「別に普通の子だよ」

「普通かあ〜」

「まあシルバーからしたら、大概の子が普通だと思うけど」

「言うねえ……」

 

さてはコイツら全員僕のこと好きだな?なんて思いながら。

僕は帰り支度をするために机の中を覗きこむ。

するとそこには見覚えのない封筒が一つあって。

 

(ん?)

 

なんでこんなところにと手に取ってみると、それは可愛らしいデザインで。

そして宛名書きには『シルバーバレットさんへ』の文字があって……。

 

「……」

「どうした?」

「いや何でも」

 

そそくさとカバンの中に手紙をしまう。

さてさて僕に手紙を送ってくるなんて酔狂な。

これが可愛らしいデザインがカモフラージュの果たし状だったらいいのにナ…と思いながらも、そんなことあるわけないよなあなんて。

 





僕:
シルバーバレット。
自分を好きになってくれる人が好き…なのかも?
でも一応はそれとなく繕っているらしい。
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