さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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友だちだからね!



親友特権

何やかんやと、シルバーバレットには行き当たりばったりなところがある。

しかもそれで何とかなるところがあるから始末が悪いともいうが。

それはそれとして。

 

「サンデー!あげる!!!!」

「なンだ?」

 

今日も今日とて元気いっぱいなシルバーバレットから手渡されたそれにサンデーサイレンスは怪訝そうに首を捻った。

 

「券!」

「券ンンンン?」

「うん!これ!!」

「……あァ、なるほどな」

 

シルバーバレットがサンデーサイレンスに手渡したそれは、小さな透明な袋に入った紙束だった。

そしてその券に書かれている文言は、

 

「『いっしょに走れる券』、ねぇ…」

「そうだよ!」

 

見る人が見れば垂涎モノで、喉から手が出るほど欲しい…よりも血を血で洗う奪い合いになるような代物。

サンデーサイレンスがその券をじっくりと見てみれば、『いっしょに走れる券』の有効期限は無期限と書かれているではないか。

 

「何時でもいいってワケだ」

「うん!そう!」

 

シルバーバレットがぴょんぴょんと飛び跳ねながら元気いっぱいに答えるのを微笑ましく思いながら、サンデーサイレンスは券をよく見てみた。

『いっしょに走れる券』の有効期限は無期限。

ついで券の裏面には『サンデーサイレンス』と名前が書かれている。

つまり、これはサンデーサイレンス専用の券ということだ。

 

「ンでェ?この券はどうやって使うんだ?」

「え?いっしょに走るんだよ!」

「それは分かってる」

 

サンデーサイレンスはシルバーバレットにそう答えながら券を裏表ひっくり返して見たり、匂いを嗅いでみたり、軽く感触を確かめたりした。

だがしかし特にこれと言った仕掛けはないようだ。

ならば本当にただのそういったものを印刷した紙切れでしかないらしい。

 

「いっしょに走ろう!!」

 

シルバーバレットはそう言ってサンデーサイレンスに抱き着いた。

 

「ンじゃまァ、その券はありがたく貰っとくかねェ」

「うん!」

 

サンデーサイレンスはそう言って『いっしょに走れる券』を懐に入れると、シルバーバレットの頭を軽く撫でてやったのだった。

そしてこの日からというもの、シルバーバレットがサンデーサイレンスと一緒に走る姿が見られるようになったとかないとか…。

 

 

「えへへ…」

 

シルバーバレットに、共に走ってくれる相手はいなかった。

それは本人だけが気づいていない裏側があったりするのだが、本人としては、サンデーサイレンスと一緒に走れるだけでとても嬉しいらしい。

 

「あ!サンデー!!」

 

シルバーバレットは今日も今日とて大好きなサンデーサイレンスの姿を見かけて抱き着きに行った。

そしていつものように頭を撫でてくれるのを待っているのだが……、今日は少し違ったようだ。

 

「ンじゃあ行くか」

「うん!」

 

なんとサンデーサイレンスが自分からシルバーバレットの手を取ったのだ。

これにはシルバーバレットもびっくりしたようで一瞬固まってしまったが、すぐにいつもの元気いっぱいな姿に戻ると元気よく返事をしたのだった。





僕:
シルバーバレット。
走りたいマン。
でもその気配が出るのは限られた相手にだけらしい。
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