さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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誰にも渡さない。



ぼくの!

『大きくなったらおじいちゃんと結婚する!』

 

愛しい孫からのそんな言葉に、サンデースクラッパはへにゃりと嬉しそうに表情をほころばせた。

なにせ目に入れても痛くない、食べちゃいたいぐらい可愛い孫にそんなことを言われて喜ばない祖父などいるはずがない。

 

「そうかそうか、おじいちゃん嬉しいなぁ。でもね、……おじいちゃんとじゃなくて、もっと素敵な人と恋をするんだよ」

『えー』

「えぇーじゃない! ……まったくもうこの子は」

 

不満げにぶぅたれる孫娘にサンデースクラッパは苦笑を浮かべる。

 

「いいかい? キミがこれから出会う人はね、きっとおじいちゃんよりも優しくて、強くて、格好良い人だよ」

『ほんと?』

「ホントホント」

『でも、わたしおじいちゃんみたいにご飯おいしいひとがいいな!』

「それは…う〜ん」

 

自分の料理を食べて育ってきた子たちは他と比べて比較的舌が肥えている…らしいとサンデースクラッパは聞いている。

もちろん、「美味しい」と言ってくれるのは作った側冥利に尽きるが、そこそこの規模のパーティーや祝賀会から帰ってきては『やっぱりおじいちゃんのご飯の方が美味しいや』と、シレッと言い放つ姿には思わず『外で言ってないよね…?』などと不安になる。

それはそれとして、

 

「なに腑抜けた顔してるの?」

「腑抜けた顔なんてひどいなぁ」

『…お父さま』

「やぁ、僕の可愛い子」

 

後ろから伸びてきた手がスリ、と喉元を撫でるのに顔を上げればそこには予想通り。

僕が腕に抱くこの娘の父親である親友がいた。

見た限りだと休憩時間らしい。が、

 

「いくら可愛い子でも、スーのことはあげられないかな」

「僕、モノじゃないんだけど」

「似たようなものだろう?」

「いや、違うからね?」

 

スリスリとした撫で方が段々激しくなってくる。

歳を経るにつれて大人っぽくなったクセにこういうところは昔から変わらないんだから…。

 

「それで、スー」

「なぁに」

「今日は久しぶりにアレ食べたいな」

「うん、分かったから。ほら真面目に仕事してきなよ」

「はぁい」

 

ぽんぽんと頭を撫でられてからの…という、いつものルーティンをした後、ご機嫌良さそうに去っていく姿を見つめる。

こう約束しておいたからには抜け出してきたりはしなさそうだな…と考えると。

 

「おじいちゃんと買い物に行く人〜」

『はいっ!はいはいはいっ!』

「ん、いい子いい子。何か好きなお菓子ひとつ買ってあげようね」

 

手を繋いでいこうとすると抱っこしてとせがまれて。

 

「じゃあ、行こっか」





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
穏やかでやさしくてご飯が美味しいみんなのおじいちゃん。
でも孫や我が子たちからの『おっきくなったら結婚する!』には嬉しい半分困り気味。
だってそんなこと言われたら…ねぇ?

【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
いつだって相変わらずなウマ。
【戦う者】に胃袋を掴まれるばかりか、心までキャッチされている。
基本大人気ない。
故に我が子相手にも全力で張り合う。
それを見た【戦う者】に、流石に呆れられたりすることも…?
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