さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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一般人世界線。



興味無いね

「ふぅん」

 

ぼうっと寝転がりながらテレビを眺める。

周りは、やれ○○という選手がとかとと騒がしいが僕としてはそういうのに興味がなかった。

 

「よっと」

 

トゥインクルシリーズという、アスリートとアイドルを混ぜ込んだかのような世界で、世間では随分と人気らしいが。

 

「…、」

 

どうとも思わない。

妹であるフォーちゃんが見ている時に一緒に見るぐらいか。

最近はマスコットやキーホルダーなど、色々と売ってたりコンビニでクジをやってたりで、フォーちゃんが好きな選手がラインナップに入っている時は手伝ってあげる時もあるけれど。

 

(誰が誰とか、全然分かんねぇや…)

 

かろうじて分かるのはフォーちゃんが好きなあの…ナントカキャップさんくらい?

あとは…。

 

「スーちゃんも熱心ね」

「そんなんじゃないよ!!」

 

BSでやってる外国の方の、あの栗毛の子かなぁ?

何だか末っ子のスーちゃんが一目惚れしたみたいで。

キラキラとした眼差しは僕にはちょっと眩しい。

 

「えへへ…かっこいい…」

「……へぇ」

「いいでしょー?」

「まぁ、いいんじゃないかい」

「ふへ〜」

(……何だかなぁ)

 

僕はそういうのには疎い。

興味が薄いから。

確かに世間一般では美麗と評されるんだろうなぁとは思うけど、どうしようもなく家族の贔屓目とやらで『ウチの家族の方がカッコイイし可愛いし美人だな』と、思ってしまう。

 

(というか、どれだけ好きだって思っても精々僕らは一般人だしね〜)

 

 

はじめから、違和感はあった。

"誰か"がいない。

本来いるはずの、"誰か"が。

満たされた生活であるはずなのに、空虚さが拭えなくて。

 

「……?」

 

"何か"が足りない気がする。

そんな違和感を抱えたまま、日々は過ぎていく。

友だちもできて、走ることも楽しくて。

しかし、ふとした時にその"誰か"を探してしまう。

猫のように気まぐれだった"誰か"。

その"誰か"を、知っているはずなのだ。

 

(……でも)

 

思い出せない。

顔も、声も、名前も。

けれど確かにいたはずなのに、どうして?

会いたい、会いたい、会いたい。

切実な想いが、日々募っていく。

はじめはホコリのように微かだったものが、積もれば山になるというように。

 

「あなたは、誰?」

 

フラッシュバックとも呼べない朧気な。

"誰か"がいたという、それだけの…。

 

 

「…東京、かぁ」

「うんうん、よかったねぇふたりとも。好きな選手に会えるイベントに当たって」

「僕もふたりの引率ってことで東京に行けて嬉しいよ」

「いっぱい写真、撮ってあげるからねぇ」





僕:
とある一家の長子。
トゥインクルシリーズにそこまで興味はないが下の子が推してる選手がいたりするためクジとかは買ったりする感じらしいとか。
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