…かも?
偶然、出会った相手だった。
「よォ」
「…はい?」
あまりにも知り合いであるかのようにやって来たものだから、「会ったことある人だっけ?」と混乱しているうちにあれよあれよ。
こういっちゃ悪いが輩の格好をしているウマに連れていかれる
「あ、あの……」
「あん?」
「僕、お金持ってないです」
「はァ? んなこと期待してねーよ」
じゃあなんで連れてきたんだ。怖いから帰りたいんだけど。
そんなぼくの想いなど知ったことかとばかりに男は懐に手を入れ、ごそごそと何かを探し始めた。
やがて出てきたのは見慣れた色の携帯電話で──って、あれ!?
なんでこの人が持ってるんだろう!?
もしかして落としちゃってた?!
「…返して欲しけりゃ、分かるよなぁ?」
「はひ…」
*
ずっとずっと、会いたいと思っていた存在がフラリとそこにいた。
同じくらい会いたかった相手にはもう再会できていたから、後はソイツだけで。
しかもソイツはシレッと携帯を落としやがるものだから、思わず飛びついてしまった。
「はひ……」
案の定ソイツは涙目になりながらも携帯を返して欲しがったので、俺はそれをダシにソイツを連れ回すことにした。
シレッと落としやがったことに少しばかりムカついていたから、ちょっと意地悪してやりたくもあったが、それはまた今度だ。
「で? お前これからどうすんの?」
「……え?」
「いや、だから」
俺の言葉の意図が分からないのかきょとんとするソイツに、俺は続ける。
「そろそろメシの時間だろーが。どっか行くかって聞いてんの!」
「え、あ、はい……。でも僕お金ないですよ」
「んなもん期待してねーって言ってんだろーが!」
「じゃあなんでそう言ったんですか……」
呆れたようにため息をつくソイツに俺は思わず笑ってしまう。
「……なんでさ。なにかおかしいこと言いました?」
「いや? 別にィ?」
*
それからメシを奢って、色々と連れ回って、夜になった頃にはまあ気安い仲になった。
「今日はありがとうございました」
「あァ? なに言ってんだ。これからだろ?」
「……え?」
俺はコイツを逃がすつもりはない。
ようやく見つけたのだから、絶対に逃がさない。
そんな俺の考えなど露知らず、ソイツは呑気に首を傾げている。
「お前、名前は?」
「名前……ですか……?」
「そォだよ。まさか言わないとは言わせねェぞ?」
俺がそう言うと、ソイツは困ったように笑った。
そして、少し考えてから口を開く。
「僕の名前は────」
僕:
シルバーバレット。
知らない人だァ…。
でも仲良くなった。
よくよく聞いてみると自分の方が年上らしい。
ふえぇ…。