ふたりきりの。
まだシンボリルドルフが生徒会長として年若かったころ…。
「やぁ、キミが先輩の言っていた?」
「はいそうです」
前代の生徒会長、その副会長から紹介された人員がシルバーバレットだった。
"流星の貴公子"と謳われたその副会長からめっぽう可愛がられていたらしい彼女は(一生徒が見ていい部分という注釈はつくが)ある程度の生徒会の庶務業務を行えるように仕込まれていたとか。
「軽い会計とか、そういうのなら任せてよ。まぁ、副会長とかが決まるまでの、短い間だけどね」
*
シルバーバレットというウマ娘はこれほどまでなく優秀であった。
がしかし、生徒会には人ならぬウマが集まらなかった。
「…そこまで気に病むことはないよ。僕がいるし、それにマルゼンさんやミスターもいるからね」
シンボリルドルフというウマ娘は強い。
それは誰もが認めることで。
そして、そんな彼女に憧れるウマ娘たちは多いのだ。
……だが、それでも。
その強すぎるカリスマ性ゆえに、ウマ娘は委縮してしまう。
彼女の隣に立つことができるのは、きっと自分だけだろうと、立候補する者…がいればまた話は違ったのだろうが。
『でも私だって生徒会に入りたいですよ!会長の隣で仕事してみたいんです!』
生徒会に集まるのは、だいたいがそういう子たちだ。
そして彼女たちはみな口をそろえてこう言う。
―
それがどんなに大変なことであろうとも、と。
けれども、
「気に病む、必要はないよ」
だが、こんなの慰めの言葉でしかない。
生徒会に入るための条件を満たしているのであれば誰であろうと歓迎したいところではあるが、それはそれとして、結局はシンボリルドルフの隣に立ち続けることができる者を望んでしまう。
外にいる者だからこそ、…友人だからこそ。
だから、
「いつか、キミのそばにいてくれる誰かが現れるまで、僕が代わりに…」
*
シンボリルドルフにとって、あのころのシルバーバレットは友人というより自分を慮ってくれる"誰か"であった。
自分のことを思ってくれる人がいることが嬉しくて、でも怖くて、その好意を素直に受け取ることができなかった。
それは、今になってみればもったいないと思う。
が、当時の自分は幼かったのだ。
「……ん?なぁに?」
ふと気が付くと、じっと見つめてしまっていたらしく。
「なんでもないさ」
「…ほんとう?」
こてんと首を傾げる姿は、昔の彼女とはまったく違う印象を受ける。
きっと自分が知らなかっただけで、昔からずっと彼女は
…先輩として、先達として、気を使っていただけの。
「なんだ、そんな顔して。…変なルドルフ」
【皇帝】:
シンボリルドルフ。
前代生徒会の人員を某TTGとしている+今のアプリ版生徒会になるまで固定の副会長はおらず補助として丸善.CB.銀弾で生徒会を回していた世界線…と考えています。
現役時は威圧感がヤバすぎて誰も副会長になってくれなかった系生徒会長。
生徒会長初期はまだ尖ってる時代のシンボリルドルフなので自分をよく支えてくれる銀弾に素直になれなかった。
いま思えばもったいないことしたなぁ…と思っている。
僕:
シルバーバレット。
前代生徒会副会長だった御方(現役時代は『流星の貴公子』と呼ばれていたとか…)に頼まれて新しく生徒会長になった【皇帝】を支えていた。
まだとある一介のウマ娘であったころなので積極的に生徒会を手伝っていた模様。
なおその頃から威圧してくる【皇帝】にフツーに接していたウマ娘。