さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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であるがゆえ。



『魔』

その一族の者はよくて、その土地から一生出ないで生きる。

まだ許されてそれなのだから、中には一生家の敷地内から出ずに一生を終える者もいるらしい。

なにせ、その家の者は『魔性』だから。

老若男女問わず、そこに居るだけで惑わし堕とし、魅了する。

人という種が存続するには、実にあるべきではない異なる特性だ。

だから彼らは、彼ら自身を守る為にも、一生を家という籠の中で過ごすのだそうだ。

……まあ、そんな彼らも自由恋愛だけは許されているらしく、中には『魔性』の血を薄める為なのか、積極的に外に出て結婚している者もいるらしいが。

 

「それも最近のことだネ」

「ふぅん」

 

そう語った当の本人-祖父であるホワイトバックの腕の中で、孫であるシルバーバレットは、その話を興味深そうに聞いていた。

 

「で、お爺ちゃん達は外に出ていいの?」

「まあ、ぼくはいいんだろうネ」

「なんで?」

「一人でも何とかできるから☆」

 

そう言ってホワイトバックは笑う。

一人で何とかできても、それは『魔性』であることには変わりないのだが、それでも彼は一族の中では例外だった。

いや、例外というより特別か。

ホワイトバックは一族の者の中でも特に強い『魔性』ではあるが、それでも魔は魔。

気づけば自分を狙ってきた有象無象は勝手に破滅して。

いつの間にか、ホワイトバックの周りからはソウイウ危険な人はいなくなっていた。

 

「お爺ちゃんって凄いね!」

「そうかナ」

 

孫の褒め言葉に、ホワイトバックは嬉しそうに笑う。

そんな祖父がシルバーバレットにとっては自慢であり、尊敬の対象だった。

だからだろうか───。

 

「ぼくもお爺ちゃんみたいになりたいな!」

 

その憧れからくる純粋な思いを、つい口に出してしまったのは…。

 

 

シルバーバレットは『魔性』である。

どことなく目を惹く容姿は目をそらそうにも、目を離そうにも、否応なしに人の目を奪ってしまう。

『魔性』とはそういうモノだ。

だから彼は幼い頃から誘拐や人攫いにあいそうになったことは数知れず。

その度にホワイトバックが助けていたのだが……。

 

「お爺ちゃん!」

 

ある日のことだ。

その日もシルバーバレットは誘拐されかけていたのだが……。

 

「ん〜、えいっ!」

 

祖父からの助けが無理そうだと察した瞬間、ウマの脚力をもって誘拐犯の股間を蹴りあげた。

 

「ぐぉぉぉぉ!!?」

 

その痛みは想像を絶するらしく、誘拐犯は泡を吹きながら倒れる。

そんな誘拐犯を尻目に、シルバーバレットは我が家に帰るのだった…。





人知れず魅了しまくるマップ兵器か何かで????
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