生存ルートにて、ファインモーションが銀弾の正妻になっている世界線にて。
本来はファインモーションの兄──
「……」
それはそれとして。
全きょうだいであることは知っているが、その件の父親について彼らは何も知らないのだ。
「どんな人なんだろう…」
みんな、自分たちを母似だという。
中には『
だが、「でも」と彼は思う。
「お母様はああ見えて結構言う時は言うタイプだし、それで現状なら…そういうことなんだろうなあ」
*
遠距離婚であるシルバーバレットとファインモーションは中々会えない。
というか、そもそもが一国の女王となったファインモーションがおいそれと市井に下りれるわけもなく、かといってシルバーバレットの方も"仕事"においてはトップ層のウマであるからしておいそれとは動けない。
だからこそ、ふたりが会える機会というのは限られているのだけれども。
「久しぶりですね、シルバーバレット」
「ええ、おひさしぶりです。殿下……いえ、今は陛下でしたな」
「ふふ、あなたが言うと嫌味に聞こえますよ?」
そう笑いながら言う彼女だが、シルバーバレットは受け流して丁寧にエスコートをし始める。
シルバーバレットとしては『何でSPとかいないんだろう』と、『そっちの方が安全だろうに』と思わなくもないが、自分しかいないなら周りに目を光らせなければと意気込む。
「それで?今日は何か御用ですか?」
「いえ、用というほどのことではないのですが……。ただ、貴方にお会いしたく思いまして」
「……あなたって人は本当に……」
ファインモーションはシルバーバレットを
それは彼がそう振舞っているからであり、そしてまた彼の立場もそうであるからだ。
だがしかし、それでも彼女は彼にエスコートされるし、周りはそれを見ても何も言わない。
「…危ないので、離れないでくださいね」
「分かってます」
「……距離が近いです」
「…あなたと私の仲なのに?」
「…………。…もう」
僕:
シルバーバレット。
お婿さん。
けど、基本的には微妙に離れた位置にいそう。
嫁の方からグイグイいかないとすぐに逃げるんだ。
自己肯定感ゴミだから…。