さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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中等部軸。



何故そこまで?

トレセン学園には、中等部と高等部がある。

そのため同じ世代で走っていたとしても、本格化の違いもあり…。

 

「犯罪じゃあ、ないかなぁ?」

「そんな、トレーナーほどは離れてないのに?」

 

その日、中等部のシルバーバレットは迫られていた。

というか、シルバーバレットと仲のいい中等部の友だちも基本こうなっている気がする。

 

「僕、まだ子どもだぜ?」

「こっちもそうだけど?」

「…」

 

ああ言えばこう言う。

どれほど彼女が話を逸らそうにも逃がしてくれなくて。

友人たちの中には猛攻に耐えかねて鞘に収まった者もいるけれど。

でも、だって。

だって、相手は自分よりもずっと、すごい人で。

そんな人が自分なんて、選んでは…。

 

「みんなだって、シルバーみたいな子、好きだと思うな。」

「そ、そんなわけないって!僕なんて全然まだまだで!」

「でも、アタシ以外にも迫られてるんでしょ?」

「…っ」

「ほら、やっぱり」

「……っ」

「みんなは、どんな感じ?」

「え?あ……。えっと……」

「優しい?」

「……うん、とっても」

「じゃあ、かっこいい?」

「……う、うん。すごく……」

 

そう答えながら思い出すのは、自分迫る人々のこと。

何故、こんなちんちくりんのチビに迫ってくるのか分からないが、多種多様の美女に迫られて悪い気は…いや、ゲフンゲフン。

 

「シルバーは、どんな人が好きなの?」

「……え?えっと……。優しい、とか」

「他には?」

「強い人……?」

「他は?」

「……っ」

 

そう訊かれて、言葉に詰まる。

ああ、そうだ。

自分はどんな人を好きになるのか。

確かにかっこいい、優しいも大切だが。

でもそれだけじゃないのだ。

もっと別の理由もあるはずだと思い出す。

そして、それを目の前の彼女に伝えようとしたときだった。

 

『シルバー!』

「わっ!」

「…チッ」

 

いつもの面子が、シルバーバレットの両側から飛びついてきた。

 

『抜け駆けはズルいぞ!』

「抜け駆けって、そんなつもりじゃ!」

『じゃあ、どんなつもりだったの?』

「それは……その……」

『シルバー』

「な、何?」

『私たちはね。シルバーが誰を選んでも応援するよ!』

「……っ」

『だから!教えてよ!シルバーの好み!』

 

そんな友人たちに迫られて。

いやでも言わざるを得ない状況になって。

ああもうと観念したシルバーバレットは叫ぶように答えたのだった。

 

「僕を好きにさせてくれた人を好きになるよ!」

 

 

「やほ、チャンプ」

「ン」

「先輩と遊びに行ってたの?」

「ン」

「プレアーもおかえり」

「うん、ただいま」

「スーちゃんもおかえりなさい」

「電話長く占領してごめんね」

「電話でしか話せないから仕方ないだろ」

「…ラブラブで羨ましいねえ」





僕:
シルバーバレット。
中等部。
何故か高等部の有名な人たちに口説かれまくっている。
なんでぇ…?
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