さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

928 / 1539

そこだけポッカリ空いてそう。



人は集まったけど…

OBとしてトレセン学園入学前の子どもたちに走り方を教えるイベントがそれなりにあったりする。

あんまり出ることはないけど出る時は出る…んだけど。

 

「…」

「…」

 

子どもたちが、全然寄ってこない…。

一緒にイベントに出てる他のOBの人たちの方にはたくさんいるのに…。

めちゃくちゃ遠巻きにされてるよう。

 

「グローリー…」

「ん」

「あの子たちに、教えに行かなきゃ」

「うん」

 

子どもたちが怖がってる。

グローリーの圧で完全に萎縮してしまってる。

……これは、まずいな。

このままじゃ子どもにトラウマを植え付けてしまうかもしれない。

そんなのは許されないし、先達として絶対に阻止しないと!

 

「……行ってくるね」

「うん、お願い」

 

僕は子どもたちの方に小走りで駆けていった。

 

*

 

「こんにちはー!」

「あ……」

 

僕が声をかけると、子どもがビクッとした。

あぁ…。

完全に怖がられてしまっている……。

 

「ごめんね、怖いよね」

「……」

 

子どもは何も言わない。

けどいちおう今日の仕事はあるわけだから手取り足取り教えていく。

そうしていると……。

 

「あ、あの!」

「ん?」

 

子どもが僕の方を見て声をあげた。

そして、少しして顔を赤くしながらまた口を開いた。

 

「……お、お兄さんも……その……」

「うん」

「す、すごく強かったんですか……?」

 

あちゃー……やっぱりそう見えるよね、このイベントに出てるからね。

けど、僕はそこまでだし。

いやでもグローリーの圧に耐えられる人なんてそうそういないし……。

……あれ?もしかして僕も同類と思われてる……?!

 

「いや〜?お兄さんはそこまでだよ〜」

「そう……なんですか?」

「うん。お兄さんはね、昔ちょっと強い人に憧れてたから」

「憧れて……?」

「うん。それで鍛えただけなんだよね〜」

「……そっか……」

 

あ、ちょっと表情が柔らかくなったかな?

…でもまだ怖がられてる気がするな〜……。

どうしよう、これじゃあイベントにならないよ……。

 

・

・

・

 

「楽しかったね」

「楽しかったかなあ?」

 

見るからに機嫌が良くなった親友に、僕は疑問を返した。

 

「楽しかったでしょ?」

「それはそうだけど……」

 

イベントはなんとか無事に終わった。

そして僕とグローリーは、子どもたちにすごく懐かれた……わけでなく。

なんか普通に、可も不可もなくという。

 

「さ、帰ろっか」

「そうだね」

 

そうして僕らは帰路についた。

 

「今日のご飯なににしよっか」

「久しぶりにハンバーガー食べたい」

「うん、分かった」

「食べられなくなったら僕が食べるからさ」

「…ありがとう」





ほぼふたりだけの世界。
子どもでも本能バシバシに刺激されてある意味トラウマ植え付けられたり、性癖の扉開かされたりしてそお。
お前らのせいだよby他の面子。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。