さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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意外とね。



案外仲良し

アグネスタキオンというウマはマッドサイエンティストである…とされる。

まあ確かに飲んだらゲーミングカラーに光る薬品やら何やらちょっと普通では考えられないモノを作っていることを考えるとマッドサイエンティストと言われても仕方がないのは事実だろう。

 

「しかしまあ、本当にタキオンくんはすごいねえ」

「ん?何がだい?」

 

アグネスタキオンが首を傾げる。

 

「いやだって……その……僕、理科が苦手だから、さ。…数学は、できるんだけどね」

 

薄暗い部屋の中でシルバーバレットはクルクルとシャーペンを回す。

その眼下にはあまり埋められていない理科のテキストがあって。

 

「はははっ!なんだいそのテキストの埋め方は」

 

アグネスタキオンが笑う。

シルバーバレットも、少し恥ずかしそうにシャーペンで頭をかいた。

 

「仕方ないだろう……苦手なものは苦手だよ……」

「まあ、確かにキミは数学は得意だねえ」

「……どっちかいうと文系なんだけどね」

 

そういいながらシルバーバレットはまたクルクルとシャーペンを回す。

そんな彼のシャーペンをひょいっと取り上げてアグネスタキオンは言った。

 

「じゃあ私が教えてあげようか?」

「いいの?」

「ああ、もちろんだとも」

「じゃあ……お願いしようかな」

 

シルバーバレットはそういいながらテキストをアグネスタキオンに見せる。

 

「……ふむ、これはね……」

 

そんな彼のシャーペンでテキストの余白にさらさらと数式を書き込んでいくアグネスタキオン。

 

「あ、そうか。こうすればよかったのか」

「そういうことだよ。……まあ、基本なんでも出来るキミがねぇ」

「うぐっ……」

 

痛いところを突かれたのか、シルバーバレットが呻く。

 

「まあ、それがキミのいいところなんだろうけどねぇ」

「……そうかい?」

「ああ、そうだよ」

 

アグネスタキオンはそういうとテキストを閉じた。

そしてそれをそのまま机に置く。

 

「そろそろ時間じゃあないかい?」

「え?…あぁ、そう、だね?」

 

アグネスタキオンが見るからにワクワクした顔で急かす。

そのあまりの変わりようにシルバーバレットはパチクリと瞬きした後、用意していた箱を取り出した。

 

「ただの素人ケーキだけど…」

「紅茶を淹れてくるよ!」

 

アグネスタキオンはそういうとそのままキッチンへと駆けていった。

 

「まったく……」

 

そういいながらシルバーバレットは箱を開ける。

そこにはチョコレートのホールケーキが鎮座していた。

 

「ガトーショコラだよ」

「ありがとう!」

 

アグネスタキオンが嬉しそうに言う。

そんな彼を微笑ましく見ながらシルバーバレットはケーキを切り分けた。

それからゆっくりと皿に載せてフォークを添える。

 

「……さて、召し上がれ」

「いただきます!」

 

そういうと彼はガトーショコラを一口大に切り分けそれを口へと運ぶ。

すると……その目がキラキラと輝きだした。

 

「おいしいよ!これすっごく美味しい!!」

「そうかい?それはよかった」

 

ニコニコ笑うアグネスタキオンは語彙力がなくなっているが、その反応が嬉しくてシルバーバレットも思わず笑顔になる。

 

「ほら、そんな詰め込んでないで紅茶も飲んで」

「うん!」

 

ニコニコしながらアグネスタキオンは紅茶を飲む。

そしてまた幸せそうな笑顔を浮かべた。

その彼の笑顔に釣られてシルバーバレットもまた笑うのだった。

 





僕:
シルバーバレット。
理科だけは苦手。
それ以外はフツーに成績がいい模様。
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