さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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のほほんのほほん。


なんでのほほんとしてるの!?

何か気づいたら防犯系全般の事業をやってる会社を興しちゃっていた。

シェア率ナンバーワン…とは行かずとも、一代で築き上げたにしては破格の位置にいるし、ウマ族が使っても問題がないその耐久性は業界内でも群を抜いているといえる(とは周囲の談)。

で、何でそんな事業を始めたかというと…。

 

「てへ…」

 

ポリポリと頭を搔く。

現在僕は、見知らぬ土地にいた。

久しぶりに自主トレとして走りに行っていたらハイエースされて、何とか逃げ出したらこの有り様…。

辺り一帯田園風景じゃないだけまだマシだが、閑散としたシャッター街とあっては似たようなもんじゃないのか?と思ったり思わなかったり。

 

「うんうん。携帯は家に置いてきちゃったけど耳カバー着けてるから大丈夫だね〜」

 

実は僕の耳カバーには超極小サイズのGPSが入っている。

一般企業が出すようなシロモノじゃねぇ!と昔言われたこともあったが、そこはほら。

僕これでも顕彰バになったウマですし?

 

「とりあえず歩いてれば誰か通るでしょ」

 

てくてくと歩き始めた。

 

 

「……ようやく来たか……」

 

薄暗い倉庫の中。

数人の気配がある中、その一画だけ明かりが灯り、明かりの中心で二人の男が話していた。

一人はスーツ姿の壮年の男で、もう一人は……。

 

「あの……本当にやるんですか……?」

「あぁ、勿論だ」

 

怯えた様子の男に対して、スーツの男は淡々とした様子で答える。

 

「キミだって、あんな奴にいつまでもデカい顔をされては堪らないだろう?」

「……はい」

「それに……これはビジネスなんだ。金も貰っている以上、きっちりとこなすのが大人ってものだろう?」

 

スーツの男がニヤリと笑う。

…まあ、そう言っても逃げられるんですけどね。

 

 

てくてくと歩くこと数十分。

ようやく人影を見つけたので声をかけることにした。

 

「あの~すいません~」

「お、やっと来たか」

「サンデー!」

 

よかった!

声をかけた人影は親友であるサンデーで。

見慣れた車に寄りかかっている姿に駆け寄れば「はよ乗れ」と促され、そのまま車に乗せられた。

 

「いや~、一時はどうなる事かと思ったよ」

「お前な……携帯はどうしたんだ?あれだけテメェのガキ共に言われてただろ?」

「いやぁ……それがさぁ……」

 

かくかくしかじか。

 

「……なるほどなぁ」

「まさかこんなことになるなんて思わなくってさ~」

「まあ、確かにそれは俺も予想外だったわ」

 

サンデーがハンドルを切りながら言う。

 

「で、どうする?警察行くか?」

「ん〜。いや、もうGPSから連絡いってると思うから行かなくていーよ」

「は?」

「また新しく作ったんだ〜。製品化するかどうかはわかんないけど」





僕:
シルバーバレット。
危機感がない。
ただそれだけ。
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