さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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それを手中に。



魔性のオンナ

ホワイトリリィは魔性であった。

とはいえ、父親からの言いつけで貢がれたりはないようにし、ただ話したり、時おり遊びに行くぐらいだった。

しかし、ホワイトリリィに魅せられた男たちは数多く、彼女が頼めば何だってするだろうと思われるぐらいには盲目的な信者じみた者が多かった。

 

『ホワイトリリィ、キミは本当に美しいな』

「ありがと。でも、アタシはアタシのモノだから」

『わかっているよ。でも、その美しさを見るとどうしてもね』

「……無理だと言ってるだろ。なんだ、嫌いになられたいか?」

『そんな!』

「はは、冗談だよ」

 

そんな会話を何度しただろうか。

しかし、ホワイトリリィが大人になった時、彼女の人生は一変する。

 

「綺麗だな、アンタ」

「そうだろう?」

 

その男-ヒカルイマイも、ホワイトリリィに魅せられた男のひとりだった。

だが、魅せられ者たちと違うのは、決して彼女を自分のモノにしたいという気持ちを見せてこないことだった。

どれほど紳士的な男であろうとも、ふとした時にホワイトリリィにそういった目を向けてくるのに彼だけは。

だから、ホワイトリリィは彼に惹かれた。

 

「最近会いに来なかったな」

 

けれど、それを認めたくなくて。

数多くの男を虜にしてきたホワイトリリィが、一介の男に惚れるなんて。

 

「ああ、ちょっと仕事が忙しくてな」

「……そうか。まあ、アタシはアンタに会えなくても平気だけど」

「それは悲しいな」

「ふん。でも、そうだな……また会いに来いよ」

 

ホワイトリリィがそう言うと、彼は驚いたように目を見開いたあと、嬉しそうに笑った。

そんな顔をされては期待してしまうではないか。

ホワイトリリィはそう思いながらも、彼の来訪を心待ちにした。

だって彼女の住処を知っているのは彼だけで。

 

「なァ」

「…どうした?」

「お前、アタシの心をモノにする権利持ってんのにチ○コついてんのか」

「へぁっ!?」

「はは、変な声!」

「……まったく」

 

ホワイトリリィのからかいに彼は呆れたように笑う。

そんなやり取りが、心地よかった。

けれど、そんな日々も長く続かなくて。

 

「いいんだな?」

「……、」

「煽ってきたのは、お前だろう?」

 

理性的な獣がホワイトリリィを見る。

スルスルと頬を撫で、首筋をなぞり、口付けを送る。

 

「んっ、」

「ほら」

 

ホワイトリリィの顎を持ち上げると彼は優しく口付けた。

最初は触れ合うだけのキスだったそれが徐々に深みへハマっていく。

呼吸を奪われて苦しいはずなのに、もっと欲しいと思う自分がいて。

 

「はぁ……っん」

「はは、可愛いな」

「……うるせぇ」

 

恥ずかしくて顔を背けるが、それもすぐに彼によって戻されてしまう。

そんなやり取りでさえ愛おしいと思うのは、きっと。





お互いズブズブ。
好き好き大好き状態。
もしくは永続メロメロ。
…まあお似合いですからね。
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