愛しすぎるのも毒ってことで。
首を掴まれた。
そして、僕の首を掴んだキミはこう言った。
「僕のモノになって」と。
「ならなかったら?」
「…█す……?」
「物騒ダナァ」
大柄なキミにウマ乗りになられた時点でこちらに勝ち目などないと言うのに。
「なら、ちゃんと█してね」
「……え?」
僕の言葉に驚いたのか。
キミは首を掴んでいた手を離した。
「な、なんで?█んじゃうんだよ?怖くないの?僕はキミを█すかもしれないんだよ!?」
「それでもいいさ」
僕がそう言うと、キミはまた驚いた顔をした。
そして今度は泣きそうになった。
「どうして……?どうしてそんなに簡単に█すとか█されるとか言えるの?」
そんなの決まってるじゃないか。
「だってキミのことを愛しているもの。だから█されたって別にいいかなあって。あ、他の人にやられるんならもちろん抵抗するよ?キミだからってだけで」
キミは三度目の驚いた顔をした。
そして、今度は笑った。
「そっか……そうなんだね」
キミはそう言って僕を抱きしめた。
「僕も愛してるよ!」
ああ、幸せだな。
こんな幸せな時間がずっと続けばいいのにな。
そんな僕の願いとは裏腹に、キミは言った。
「じゃあ約束して?僕以外の誰にも心も体も許さないって」
もちろん。
僕はそう答えた。
いや、答えようとした。
しかし声がでなかった。
なんで?どうして?と問われれば、そう…。
「約束してくれるよね、ね?」
キミの目が、ひどく、ひどく、…濁っていたからだ。
そんじょそこらのドブ川よりもひどく濁っていて、まるで底なし沼のように僕を引きずり込もうとしていた。
「約束してくれるよね?」
僕は……僕は……。
「……はい」
ああ、ああ!
もう逃げられないのか!
キミはまた笑った。
それからというものの、キミは事あるごとに僕に愛を囁くようになった。
「愛してるよ」と。
そんな日々が続いていくうちに僕の中で何かが壊れていった気がする。
抱きかかえられて移動も普通のことで、たまにキスをされるのも普通のこと。
僕はもうキミなしじゃ生きていけないのかもしれない。
「愛してるよ」と囁かれるたびにそう思うようになった。
まあそれを注意するとキミがヤダヤダって年頃にあるまじき駄々をこねるようになったってのもあるだろうけど。
「愛してるよ」
今日も今日とてキミは僕に愛を囁く。
「愛してるよ」
でも、僕は……。
「……ねえ」
ああ、まただ。
「どうして?」
キミの目に濁りが広がっていく。
なんで?なんで?って言いながら僕の首を締める。
もう慣れたものだな。
「ぼ…のこ…、あいして…いっ……よね……?」
ああ、そんな目をしないでくれよ。
そんな目で見つめられると……。
それでも離れないんだからさあ…。