さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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いけーっ!!



押せ押せ

ある時、めちゃくちゃ美人な女に迫られるようになった。

俺なんかに迫るには美人すぎる女に。

 

「私、あなたのことが好きなんです」

「え?」

「私と付き合ってください」

「……は? いや、俺なんかじゃ釣り合わないだろ……」

「そんなことありません。私はあなたがいいのです」

「いや、でもな……俺はその……」

「お願いします! この通りです!」

 

……とまあこんな感じで迫られ続け、俺は根負けした。

そして付き合うことになったのだが……。

 

「今日はどこ行くんだ?」

「そうだなあ……今日は買い物に付き合ってほしい、かな」

「わかった。じゃあショッピングモールにでも行くか?」

「おう」

 

……とまあ、こんな感じでデートを重ねるうちに俺は幸せだった。

美人な彼女を持って、毎日が楽しい。

しかし最近になって、彼女は少し変わった。

いや、少しどころではないかもしれない。

 

「なァ……私のこと愛してる?」

「……ああ、もちろんだよ」

「そ……」

(なんなんだ?)

 

彼女は俺に対して執拗に愛情を求めてくるようになったのだ。

だが、それは初めからそうだったのかもしれない。

彼女は俺に迫ってきた時から周りに秋波を送られていたのに。

「アンタだけがいいんだ」と言って。

「アンタだけ」とは言うが、俺の周りにはもっといい男がいるはずだ。

なのに彼女は俺を選んだ。

それは何故なのか?

そういうことを考えているうちに俺はいつの間にか彼女に惹かれていた。

そしてある日のデートで、俺は彼女に告白した。

 

「……なあ」

「ん?」

「その……俺と付き合ってくれ!」

「……え?」

「だから!お前のことが好きなんだ!」

「……やっとか」

(やった!)

 

俺は心の中でガッツポーズをした。

随分と待たせてしまったから、もしかするともう愛想をつかされているかもしれないと思っていたが、このムフ〜!という顔を見る限り、そんなことはないようだ。

 

「じゃあ……一緒に暮らすか?」

「ああ!」

 

こうして俺は彼女と彼女の実家で同居することになった。

それからは毎日が幸せだった。

彼女は俺に愛の言葉を囁いてくれたし、俺も彼女に愛を囁いた。

 

「幸せそうで何よりだネ」

「…どうも」

「照れないでヨ」

 

彼女の父、自分にとっては養父にあたるホワイトバックにニヤニヤ顔でからかわれ思わず顔が赤くなる。

聞いた話によれば、彼は随分と気性が荒く恐れられているようだが、自分の前ではそんな様子は微塵も感じさせない。

 

「……まあ、これからよろしく頼むヨ」

「はい!」

 

信じられないぐらい幸せだ。

自分を愛してくれる家族。

「お前は自分を大事にしなさすぎる」とよく言われるが、それでも俺はこの幸せを噛み締めていた。

 

「愛してるぞ」

「お、おう…」

「照れるな照れるな」

「うるさいな」

 

……とまあ、こんな感じで。

 

 





グイグイグイグイ押して落としたけど、これから押して行った分倍にして返されるんだよね…。

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