さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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単純明快な好意を。



知らない

「サンデー可愛い!」

 

抱き締めて、そう言うと「うるせぇ」と返された。

だが僕はやめない。

だってサンデーは自己肯定感が低いんだもの!

だから僕が褒めないと!

 

「サンデーは可愛い!」

「……そうかよ」

「そうだよ!!」

「……っ、分かったから離せ。暑苦しい」

 

そう言われたので渋々離れる。

でも僕は知ってるんだぞ?

耳が真っ赤だってことをね!

……それにしても、なんだかさっきから視線を感じるな……?

いや、これは視線じゃない?

もっとこう……そう、殺気だ。

殺意だ!!

なんで!? どこから!?

キョロキョロと辺りを見渡していると、周りのみんながそれとなく目を逸らす。

…え、そんなに僕が「可愛い」って言ってたのキモかった?

……えぇ、ショック。

 

「……おい」

「ん?なに?」

「手ぇ出せ」

「??」

 

言われた通りに手を出すと、何か握らされた。

これは……指輪??

 

「これ……」

「……前似たようなのくれただろうが。なら俺がお前に渡してもおかしくはないだろ」

「……っ、うん!」

 

まさかこんなサプライズをしてくれるとは!!

いやもう嬉しい!嬉しすぎるよ!

あ、そうだ!

僕もサンデーにプレゼントがあるんだった!

 

「サンデー!!!!」

「またかよ。飽きねぇなあ」

「可愛い子にはいくら貢いでも足りないからね!」

「へいへい」

 

それで「指輪どうすればいいの?」と聞けば、「虫除けにつけとけ」と返されて。

よくよくアブナイ人に絡まれることを知っている彼が言うならと、「わかった〜」と返して薬指に指輪をつける。

 

「わ〜」

 

シンプルだけど綺麗だねと言葉を漏らすと、「ん」と満足気な声が返ってきた。

 

「ありがとう、サンデー」

「……おう」

「大好き!」

「……俺もだよ」

 

そんなやり取りをして、僕たちは帰路についたのだった。

 

(あ、そういえば)

(どうした?)

(いやね?僕最近よく絡まれるんだけど……なんでか知ってる?)

(……さぁな)

 

 

あれだけ好意を向けられて何も思わないやつの方がおかしい。

しかもアイツは血筋からして美形なのか、火傷跡を考慮してもそれが逆にミステリアスな雰囲気を醸し出している。

加えてあの性格だ。

ギャップ萌えとでも言えばいいのか、アイツは結構モテるらしい。

……男女問わず。

 

「どうしたの?サンデー」

 

だが、アイツが無防備に笑いかけるのは俺だけだ。

……そう、俺だけ。

だから俺はアイツに寄ってくる虫は全部追い払ってきたし、これからもそうするつもりだ。

 

「いや?なんでもねぇ」

「そっか〜」

 

そんな会話を交わしながら俺たちは帰路につくのだった。

 

(…この指輪が独占欲の現れだって知ったらコイツはどう反応するだろうなぁ)





好き好きだぁい好き!
でも、なんか視線が…?
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