さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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知らぬは本人ばかりなり。



あの子は心配性

(やっぱり…似てるよね)

 

自身を支援してくれているオーナー夫妻を思い出し、グローリーゴアは考える。

オーナー夫妻-ヘンリーとジェーンはとても仲のいい夫婦だ。

がしかし、子どもの望めないふたりはグローリーのことを実の子どものように愛して、可愛がってくれている。

グローリーも夫妻のことが大好きだった。

とはいえ、

 

「おはよう、グローリー」

 

やっぱり、あのオーナーにしてこの子ありというべきか。

何だか思い返してみると、ジェーンとこのサンデースクラッパは似ている気がする。

無垢で、しかし苛烈で、でもどこか抜けていて。

 

「ねえ、グローリー」

 

と、考えごとをしている間にいつの間にかサンデースクラッパが目の前にいた。

 

「今日はね、僕、キミに話したいことがあるんだ!」

「え?僕に?」

「うん!そう!」

 

そしてサンデースクラッパは満面の笑みを浮かべて言う。

 

「あのね、僕……遊びに行くの!!」

(……へ?)

 

思わず耳を疑ったグローリーゴアだが、目の前のサンデースクラッパはとても嬉しそうだ。

「遊びに行く」と言っているところから自分と一緒に遊びに行く…という訳ではないだろう。

 

「だ、だだだ誰と行くの!?」

「え〜」

「僕以外と行くなんて許さない!」

「いつも通りだなあ」

 

僕以外と親しくさせてなかったはずなのに!と慌てるグローリーゴアにサンデースクラッパは呆れ顔だ。

 

「あのね、」

「…うん」

「一緒に遊びに行くのはジェーンさんだよ」

「……え、」

「ジェーンさんなら、大丈夫でしょ?」

「……うん」

 

ジェーンなら、まあ一緒にいさせてもいいけど…。

でもふたり揃って主な属性がふわふわ系なのである。

 

「ジェーンさん、とても優しいんだ」

「……知ってるよ」

「なら何でそんな心配そうなんだよ」

「そりゃあ、僕の主だからね……」

 

サンデースクラッパはむくれるグローリーゴアに気づかず続ける。

 

「でね!僕ね!」

 

次いで満面の笑みを浮かべて言うのだ。

 

「ジェーンさんのお家にお泊まりに行くんだ!!」

(……え!?)

 

いやいやいやいやちょっと待って欲しい。

お泊まりってなんだお泊まりって!!

しかもよりによって!

 

「ヘンリーさんいないから不安なんだって」

「あ、あぁ…」

「それに前誘ったら仕事あるからって断ったのはグローリーの方じゃない」

「まあ、そうだけど……」

「だから僕だけ」

「……そう」

「心配しなくてもいつも通り定期的にメールとかするからさ」

「……ん」

 

頭を撫でられつつも、やっぱり心配だなあ…。

そう思いながらグローリーゴアは目の前の華奢な体を抱きしめるのだった。





何か似た相手を愛していて、そのふたりが仲良くしてるのはいいけれど不安な話。
だってめちゃくちゃフワフワしてる子なんだもの。
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