まあ今でも。
「どうしたんです?おじさま」
「……いつも、すまないね」
「…?」
その日、サンデースクラッパは自身が世話になっている家の前当主-現在は隠居し、穏やかに過ごしている"おじさま"に謝られていた。
不思議そうに首を傾げる彼とは裏腹に、おじさまは深くため息をつく。
「我が子ながら…どこからあの性格というか、性質が出たのやら」
おじさまの子であり、サンデースクラッパの親友であり、この家の現当主であるグローリーゴアは……。
「グローリーゴアが、どうかしたんですか?」
「……いやなに。ちょっとばかり……喧嘩をしてしまってね」
「けんか?」
「ああ。といっても、もう仲直りはしたんだが」
「そうですか」
(……でも)
サンデースクラッパは思う。
彼は知っているのだ。
親友であるグローリーゴアのことを、誰よりもよく知っているから。
「……また何かやりましたか?グローリー」
「……ははは……」
おじさまは笑うだけで何も答えなかったが……。
(またなんか、やったんだろうなあ)
涼しい顔でとんでもないことをやらかすのがグローリーゴアというウマであるから。
サンデースクラッパは、また親友が何かやらかしたのだろうとすぐに悟った。
「ところでグローリーゴアは?」
「ああ……あの子は今……」
「ただいま帰りました」
おじさまの声を遮って、玄関から声がした。
聞き覚えのある声にサンデースクラッパの耳がピクリと動く。
「おかえりなさい、グローリー」
「……うん」
どうやら仕事に行っていたらしい、オーダーメイドのスーツを着たグローリーゴアにサンデースクラッパはパタパタと駆け寄っていく。
そしてそのまま抱きつくと、グローリーゴアは慣れた様子でサンデースクラッパを抱き上げてくれた。
「おかえり、グローリー」
「……うん」
「今日は仕事だったんだねぇ。…あれ?何かあったの?」
「……別に……」
サンデースクラッパが心配になって問いかけるも、グローリーは素っ気なく返すだけ。
しかしそれはいつものことなので気にした様子もなく、サンデースクラッパは言葉を続ける。
「そう?……でもさ、笑わなくちゃ怖がられるよ?グローリーはカッコイイけど、真顔だと怖いって」
「……キミは笑ってなくても可愛いよ」
「え?そう?」
「うん」
「……えへへ……」
グローリーゴアに褒められ、サンデースクラッパは嬉しそうに笑う。
そんな二人を見ておじさまはため息をつきながら言うのだ。
「…変わらない、なあ」
「?」
「……なんでもないさ」
毎日見せつけられるんだ。