さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そういう世界線。



望まれるべくして

ウマとして生まれた者の中には生まれた時に神託のような形で、後々優秀な子を生み出すと告げられる者がいるという。

そう告げられたウマは往々にして囲われ、ごく一般的な生活とは大なり小なり離れた生活をすることになるらしい。

そして、そんな神託を受けたウマは神託通り例外なくその優秀な子とやらを産み落とすのだとか。

しかし、

 

「え、」

 

厳重に造られた、警備の人間だって手厚くいるはずの住居に、侵入者があった。

その住居のグレード通り、もはや監禁に近い形で()()()()()()()()()()()()()だとされる人物を住まわせている、そんな場所に。

 

「な、」

 

警備の人間がすぐさま侵入者に襲いかかり、しかし次の瞬間にはその全てが地に伏していた───(こうべ)を、垂れていた。

それも一人残らず、だ。

そして侵入してきたその影は、

 

「やあ、どうも」

 

なんて軽い調子で言いながら、警備の人間から何かを取り上げる。

それはこの住居の、

 

「ほら、出ていって。…出ていけって、言ってるでしょ?」

 

困惑する家主を後目に侵入者は警備の人間から、家主の身の回りの世話をしていた使用人までもを住居から追い出した。

それから念入りに監視カメラなどを潰し、…とはいえバイタルチェックが着いたチョーカーを潰さなかったのは慈悲か、それとも。

 

「…これで、一緒に暮らせるね!」

「い、一緒にって…」

 

そうだ。

神託を受けた時点で、神託を受けたウマは実の家族であってもおいそれと会うことはできない。

ましてや一緒に暮らすなんて、

 

「大丈夫」

「え」

「大丈夫だから、ね?」

 

そう思っても、目の前の侵入者に肩を掴まれ有無を言わさぬ眼差しで告げられてしまえば、

 

「……うん」

 

家主は頷くしかなかった。

そうして、サンデースクラッパは出会ったのだ。

 

「おはよう!今日もいい天気だね!」

「……おはよう」

 

生涯のパートナー-グローリーゴアに!

 

 

ずっとずっと、探していた。

()()()()()

なのに、一緒には暮らせないのだと。

世界の(ことわり)からしてそうなのだと。

そんな、半ば常識な事実を知ったところでグローリーゴアが止まるわけもなく。

 

「おはよう!今日もいい天気だね!」

「……おはよう」

 

常識なんて覆して、『運命』にしたのだった。

大切なあの子は何も覚えてはいなかったけど、優しさは健在だったのでグローリーゴアのことも結局は受け入れてくれた。

今では結構深めなスキンシップをしても、それを普通として受け入れてくれるようにまでなっている。

 

「…もう」

「えへへ」

 

だって、それが『当たり前』なのだから。

 





どこからともなく駆けつけるよ!…だけど周りから見れば結構ホラー案件なのでは…?
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