似たもの同士。
生まれながらに『怪物』であった。
それを、生まれながらに理解していた。
愛しているが故に、喰らいたい。
愛しているが故に、壊したい。
最悪の矛盾。
愛しているのに、愛しているのに、愛しているのに。
愛したあなたの、すべてが欲しくて。
善意も、悪意も、喜怒哀楽も。
自分だけに、向けて欲しくて。
自分以外があなたの感情を揺さぶるなど、許容できなくて。
だから。
だから、我が愛しきあなたは同じように、『怪物』になってくれたのですね。
『怪物』になれば。
血も肉も骨も心も魂もすべて余すことなく。
私だけのものになるから────と。
ああ、ああ、ああ!
なんて、なんて!
「…嬉しい」
ああ、私は今幸せです。
幸せですとも!
だって、あなたも同じ気持ちなのでしょう?
私と同じ───。
「『怪物』同士、仲良くしましょう……?」
大量の
*
あの子は、たったひとりだった。
自身を『怪物』とし、『怪物』としてあらんとした、たったひとりの存在だった。
だから、ただ傍にいた。
傍にいて、あの子のひとりぼっちの『怪物』に手を伸ばした。
どうしてそこまでするの? と周りは驚いただろう。
それはあの子が『怪物』であり、あの子がただの人間だからだ。
ああ、違うよ?
あの子は本当に素敵で素晴らしい人間だもの。
故に、
───どうして、触れるの?
そう、心底不思議そうに告げる華奢な身体を抱き締める。
脆く儚い身体。
『怪物』として生まれ落ちなければ、その身体はとうに壊れていただろう。
『怪物』として生まれなければ、きっとこの子はみんなに囲まれていただろう。
ひとりぼっちの、哀しい子。
そんなのは悲し過ぎるもの。
「僕はキミに救われたんだ」
───そんなの知らない。
「キミが気付いてないだけだ」
───知らない、そんなこと。
「でも、ひとりじゃなくなっただろう?」
怯える体を掻き抱いて。
その額に、口づけを落とした。
「キミのそばにいるよ」
───いらない。
「それでも傍にいる」
───来ないで。
「キミが嫌だって言っても傍にいる」
───構わないで!
「大丈夫だよ、大丈夫」
だって、僕たちは同じなんだから。
『怪物』同士なら、一緒にいたって大丈夫でしょう?
「キミは、僕の『怪物』だもの」
───……。
「……だから、もう泣かないで」
───……。
「僕がずっと傍にいるから」
ああ、でも。
キミが本当に泣きたい時は。
僕がその涙を喰らってあげるからね?
「ずうっと、一緒」
怪物同士で愛し合ってろ!
…まあ普通の人ならその愛に押しつぶされちゃうからね、仕方ないね。