さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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やばいわよ!



本人はのほほん

目を覚ますとウマ娘になっていた。

いちおう男の時の服で何とかなったので、それをいつも通り着る。

 

「…いつも通り、だよね?」

 

鏡に映る自分はいつも通り…のはずだ。

髪の長さも変わりないし、胸だってあってないようなものだったし。

 

「うん、大丈夫」

 

そう自分に言い聞かせて部屋を出る。

 

「…おはようございます、父さん」

「お、おはよう」

 

いつもと変わらない我が子だ。

……少し違和感があるけど。

でもそれはきっと気のせいだろう。

だって我が子は我が子なんだから。

 

「どうしたの?ぼーっとして」

「……いや、なんでもないです」

 

そう言って朝食をとるためにテーブルに向かう。

しかし、揃っていたみんなから一瞬だけではあるが、じっと見られてちょっと怖気ずく。

もしかしてバレた?と戦々恐々しつつも、何も言われないのでホッと息をついて。

 

「いただきます」

 

音頭をとって朝食をとる。

でも、やっぱりみんなからの視線を感じる。

 

「……どうしたの?」

 

そんな視線に耐えかねてそう聞く。

するとみんなが少しバツの悪そうな顔をして……そして言った。

 

「いや、その……」

「何だか雰囲気がいつもと違うな、と」

「そうですわね。何かいつもと違うような……」

「……確かに」

 

そう言われて思わず顔が引き攣る。

まさか、やっぱりバレた?

いやでも……そんなはずはないと自分に言い聞かせて。

 

「気のせいじゃない?」

 

誤魔化しつつ朝食を食べ始める。

するとみんなも思い思いに食べ始めた。

 

(……よかった)

 

どうやら何とかなったみたいだとホッと一息ついて、いつも通りに書類仕事をこなして、夜───。

 

「…ハイセイコ?」

 

寝て起きたら治ってるかなあと思いながら風呂に行こうとした時。

いつもなら「お気をつけて」と見送ってくれるはずの長男坊に手首を掴まれて。

不思議に思って首を傾げれば、彼は凪いだ目で。

 

「本当に、華奢ですね」

「今もろくに抵抗できないでしょう?」

「何も知らない可愛い父さん。…いや、今は母さんですよね」

「ふふ、」

 

…なんか怖いなあ!

手首は痛いぐらいに握り締められている。

まあそもそも男の体の時でもハイセイコに本気でこられたら抵抗できないんだけどね(走る以外は)!

 

「あの、ハイセイコ?」

「……ああ、すみません」

 

もう一度問えば、パッと手を離してくれる。

いや、本当に何だったのさ……。

 

「じゃあ、お風呂に行ってくるね?」

「はい」

 

何事もなかったかのように送り出される。

……本当に何だったんだろう?

まあ考えても仕方ないか、と諦めて風呂に入る。

そしてまた寝て起きたら治ってないかなあと思いながら寝るのだった。

 

「……ハイセイコ?」

「はい」

「あの、これは……」

「気にしないでください」

「えぇ…?」





何をされようとしているのかは想像におまかせします(笑)。
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