さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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もしくはどうかプリムラの花束を。


Can not live without you.

今日は久しぶりに先生の様子を見に行く日だ。

先生はひとり暮らししているのだけれど掃除も洗濯も料理もできない御人であるため時たま様子を見に行くことにしている。

長く一緒に過ごしている間に多少の家事は教え込んだけれどそれでも危ういため、早くお嫁さんを見つけて欲しい。

先生は優しいし気が利くナイスミドルなんだから本気になれば女性なんてよりどりみどりなのでは?なんて。

そんなことを考えていたのだけど、

 

「先生!?」

「……バレット?」

「なんでこんなにやつれてるんですか!

それに家も埃っぽいし!

一週間でこんなになりますか!?」

 

訪れた先生の家はビビるほどヤバかった。

埃まみれだし、着ている服はシワだらけだし、冷蔵庫覗いても何もないし、ゴミ箱を見たら冷食のカラが時おりあるだけ。

 

「あ゛〜、もう先生!

先生が生活改善するまで僕泊まるから!

布団あるでしょ、貸して!」

「あ、あぁ……」

 

勝手知ったる先生の寝室に入り、いつもの場所から僕用の布団を取り出す。

……うわ、なんかコレも埃っぽい。

明日にでも洗お。

 

「先生、美味しいですか?」

「うん」

 

先生は何だか弱っているように見えた。

一週間前はこんなんじゃなかったのにと思いつつも世話を焼く。

買い物は先生がしてくれるのでもっぱら家の掃除をしている。

しかし先生は食事のための買い物以外は外に出ないので不思議に思い、「トレーナーの方はどうしたんですか?」と聞けば「…一身上の都合で休職してるんだ」と返ってきたのでもっともっと先生を元気付けなければ!と意気込んだ。

 

「バレット、バレット……」

「はいはい、先生ここにいますよ」

 

僕と先生は布団を並べて眠っている。

昔から、先生の家に泊まりにきた時の決まりだ。

先生はよく僕の名前を呼んでうなされている。

さっきみたいに声をかけて手を握ってあげると落ち着くけど、心配だなぁ…。

 

「先生、はやく元気になってくれるといいなぁ」

 

 

シルバーバレットが亡くなったなんて嘘だ。

だって戻ってきたじゃないか。

今までみたいに僕の不摂生を怒って料理を作って笑ってくれる。

 

「最近ドリームトロフィーリーグから勇退しまして、またトレーナーになろうと思ってたんですけど…先生がこの状況なのは僕にとって不本意ですからもう少し見送ろうと思います」

 

そうだ。

シルバーバレットはあの日帰ってきて、盛大な引退式を行って、ドリームトロフィーリーグに進んだんだ。

そうだ、それが正しいんだ。

 

 

 

 

 

……なぁ、バレット。

 

「なんですか?」

 

もう、どこにも行かないよな?

 

「もちろんです。

だって僕は先生の最高のパートナーですから!」

 

…よかった。




イカリソウ軸で先生√の話。

先生:
僕(ウマ息子)が亡くなってSAN値がやばかったところに別世界の僕(ウマ娘)がやって来た。
何とかSAN値は持ち直したがその過程で現実をすり替えている。
どちらにせよシルバーバレットがいなくちゃ生きていけない人。

僕(ウマ娘のすがた):
先生めっちゃ窶れとるやんけ!状態。
今いるのが別世界だとは気がついていない。
先生からも外に出ないように誘導されている模様。
状況がヤバイ(ヤバイ)。


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