さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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互いにクラスメイトって認識はあるけどそれ以上は…って感じそう。



焼き尽くすおひさま

クラスメイトでありながら、メジロラモーヌとシルバーバレットの交流はさほどなかった。

まぁメジロラモーヌ自体がそう積極的に他人と接触するたちではないし、シルバーバレットの方もメジロラモーヌの美麗さ(に惹かれる人々)を見て、話しかけるのに気後れ…というよりは話しかけることを避けるような、そんなような。

 

「シルバー!」

「わっ!」

 

…それ以前に。

当の本人は気づいていないが、周りにいる者たちがシルバーバレットを彼女に近づけようとせず。

 

「ご飯行こう!」

「今日のAランチはにんじんハンバーグらしいぜ?それにルドルフが先行って待ってるってよ」

「あ、あぁ…。」

 

「……」

 

 

メジロラモーヌが「誰よりもターフを深く愛し、レースに対しても常に前向きで、走ることを純粋に愛している」───出走するウマに本気を引き出させ、そこから生み出される様々な要素と、そうして生まれる珠玉のレースに完璧に勝利することこそを『愛』と呼び、その様に人が魅せられるとして。

その一方、シルバーバレットの走りは───。

 

「……」

 

奮起…なんてとんでもない。

追い縋ることを許さない走りは後続に続くウマの心を容易くへし折り、絶望させる。

たとえ対戦相手が萎縮しても()()()()()悲しむだけであって、その実では後ろなんて振り向きもしない。

シルバーバレットは勝利を渇望しない。

勝利に執着していない。

だって、そのようなこと考えなくとも───。

 

「…なんだ、もうゴールかぁ」

 

誰も追いつけないが故に、敗北を知らず。

敗北を知らないが故に、勝利への感慨もない。

嬉しいとかどうとか以前に、『勝つこと』が当たり前であるからして。

 

「もうちょっと、走るか」

 

 

「憧れるだけなら、よかったのだがね」

「ルドルフ〜、顔がライオン丸になってるよ?」

「おっといけない」

「後輩には見せらんないからなぁ、ルドルフのその顔は」

 

シンボリルドルフ、ミスターシービー、カツラギエースの三人で模擬レースを観戦する。

特に勝ったからどうというものでもない、ごく有り触れたプライベートの延長線上のようなレースであるが、それでもシルバーバレットの走りは見るものを魅了する。

 

「シルバーすごいなぁ」

「む?」

「だって、このレースに出てる子たちってみんなG1で通用するレベルだろ?それを……」

「まさにお見事!って感じだよねぇ」

 

話題の中心は未だ軽く走っているが、対戦相手はみな疲労困憊で端の方で地面に転がったり、しゃがみこんだりしている。

 

「…また、か」

「それはそうだけどね〜」

「困ったもんだなぁ」

 

ははは、と笑い声が起こる。

だがその目は…。





僕:
シルバーバレット。
特性:どんかん。
それでいて周りを絶望させると同時に脳と目を焼いていく奴。
敗北を知らないが故に勝利に執着がなく、また勝利が当たり前になっている。
だってピャッて出てピューっと走ってれば…ね?
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