さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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その気になれば悪食になる【戦う者】概念。



お料理上手?

きちんとした食事の所作が、気づけばどことなく庶民じみたものになったと思うようになったのはいつだったろう。

誰もが知っているファストフード店で買ってきたハンバーガーを食べて、指が漏れたソースで(まみ)れるのを舌で舐め取り。

僕としては、自分もする時はする動作だから何も言わないけれど。

 

(見る人が見たら…ねぇ?)

 

品がない、もしくはマナーがなってない。

そんな風に思われても不思議ではない。

 

「スー」

「ん?」

「ついてる」

「は、」

 

伸びてきた手、その親指が僕の唇の端を拭い、戻って。

赤い舌がべろりと舐めとった。

 

「ソース」

「……あ、うん」

「顔、赤いけど」

「……っ、なんでもない!」

 

あぁもう!

 

(そういうの抑えてってば!人前でしたらどうするの!?)

 

そう叫びたいのをぐっと堪える。

今ここで叫んだらきっと負けだ。

そんな気がしたから。

 

 

食事に楽しさを覚えたのはキミと出会ってからだった。

それまでは味なんて二の次で栄養バランスだけしか見ていなかったし、お腹に入って消化できるものならなんでもよかった。

それが、キミ-サンデースクラッパと出会ってから変わったんだ。

 

「おいしい」

「うん、おいしいね」

 

僕の味覚はキミに作り替えられた。

食事の楽しさを教えてくれたのも、キミだった。

「家庭料理だけどね」と居心地悪そうに苦笑するキミは、それでも僕の食べる姿を見て嬉しそうで。

 

「家庭料理がおいしいのは当たり前だろ」

「そう?」

「そうだよ」

 

だって、キミが作ってくれたものだもの。

そう言ったら、照れたように笑ってくれた。

 

 

とはいえ。

 

「…うん。誰しも、苦手なことのひとつやふたつ、あるし…」

 

いたたまれない空気にそっと視線を逸らす。

いつものお返しに僕の作った料理でキミに喜んでもらいたかったのに。

しかし、幼いころから家の使用人が作ったものを食べて、学園に入ってからは既製品と精々食べても学園の食堂のものしか食べなかったために料理スキルがないから…その…。

 

「ごめん、スー」

「……いや。一回、一緒に料理してみてもよかったね」

 

キミが謝ることじゃない。

そう言いたいけれど、言葉にするとなんだか言い訳じみてしまう気がして何も言えない。

 

「あー……えっと……とりあえず片付けようか」

「うん……」

 

二人して肩を落として後片付けをする。

キミは手際よく食器を洗い、僕はそれを拭く係だ。

 

(しょんぼり)

 

視界の端にあるものは黒黒と焦げていて。

「なんかよく分かんない呻き声とか紫色とかしてないだけマシだよ」とフォローなのか何なのかよくわからない言葉をかけられた。

 

「ごめん」

「いいよ、グローリーが謝ることじゃないし」

「でも……」

 

情けない。

キミに喜んでもらいたかったのに、空回りしてばかりだ。

 

「ま、炭なら食べれるからね」

「!?!?!?」





ふたり:
サンデースクラッパ&グローリーゴア。
料理上手い&料理…?
でも習えばちゃんとできるタイプだと思われ。
しかし料理好き!なサンデースクラッパに胃袋掴まれた結果、食べるの専門になるグローリーゴアなのでそこまで上達しないやも。
…温かい飲み物作るのは◎になったりするかもしれませんが。
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