仲良し〜。
シルバアウトレイジというウマは…友だちがいない。
後輩には頼りがいがあることから慕われ、先輩にはちゃんと敬いつつもどこか軽妙な関わり方が受け、可愛がられているのだが。
「今日もひとりでご飯ですか」
「うっせ」
いかんせん、シルバアウトレイジと仲の良い同級生が出来ぬまま。
気づけば悲しきかな、後輩である【飛行機雲】とよくいるように…。
「ひとりじゃねぇしっ! だって、【飛行機雲】がいる!」
「いや、僕と先輩は友だちには…」
「……」
「すみません。でも事実ですし」
「うぅ……ひどい……心が傷ついた……」
基本はぼっちで黙々と過ごしていたけれど。
何故だか懐かれた結果、食事の時以外にもオフの日に一緒に遊びに行ったり、トレーニングで必要な調べものを共にしたりと、共にいる時間が増えた。
「やっぱお前と会えてよかったわ〜」
*
「やっぱお前と会えてよかったわ〜」
そのボヤきを聞いて、【飛行機雲】は人知れず目を細めた。
気さくであるのに、どこか触れがたいこの人が、自分に心を開いてくれている。
その事実が嬉しかったから。
「先輩」
「ん?」
「僕もあなたに会えてよかったと思います」
シルバアウトレイジはきょとんとして、それからニッと笑った。
「俺もだよ!」
…その年相応の顔も、いわゆる同級生の方々も、先輩も後輩も、見たことがないだろう。
この人の懐に恐れずに入り込んだ、【飛行機雲】だけの特権。
誰もが荒々しくも、優しいこの人に惹かれるけれど、しかしこの人はあまりにも強固で
誰しも身のうちに潜める欠けを埋めようと、この人を乞う。
のに、何があろうと揺らがないこの人が、自分の前でだけ見せてくれる表情がある。
その事実に、【飛行機雲】は優越感を覚えるのだ。
適当に結ばれた髪を何も言わず直せるのは自分だけ。
先輩が遠征のおみやげでみんなに渡す分とはまた別のものを買ってくるのは自分だけ。
先輩がトレーニングの後に一緒に買い食いするのは、……そう、自分だけ。
「先輩」
「ん?」
「今度また、一緒にご飯でも行きませんか」
【飛行機雲】の言葉に、シルバアウトレイジはパッと顔を輝かせた。
「いいな! 行こう!」
シルバアウトレイジは【飛行機雲】の腹の中を知らない。
きっと、この人の中の自分は「可愛い可愛い後輩」ぐらいのものでしかないだろう。
…そんなワケ、ないのに。
「…【飛行機雲】」
「いえ、何も。ほら、もうそろそろ休み時間終わりそうですよ?」
「え?…うわっ、マジだ!」
【飛行機雲】:
後輩。
独占欲強め。
周りが【銀色の激情】を求めつつも尻込みしたり、牽制しあっているのを見てニッコリ。
そして何も知らない【銀色の激情】さんェ…。