さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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家族が過保護なんだよね〜。



いいお家

普通は逆じゃない?と思った。

 

「寮暮らしィ!?おじいちゃん許さないヨ!!ひとり暮らし用のマンション見繕ってあげるからネ!」

 

あの火事から、どうにか持ち直して、そろそろ退院となったところで現れた祖父は開口一番そう言った。

元々はチームが持っていたアパートに暮らしていたけど、そのアパートが全焼してしまったし…心のケアも、ということでちょうど寮部屋に空きがあった栗東に誘われていたのだけど。

 

「いーや、ダメだね!チビちゃんをそういうとこに置いてたら結果が目に見える!」

「結果が目に見えるって…おじいちゃん……」

 

ふんすふんすしている状態の祖父をどうこうするなんて僕にはできない(母なら何とかできるだろうけど)。

…というわけで、

 

「見つけてきたヨ〜」

「わ〜い、ありがとうおじいちゃん(棒)」

 

 

祖父が見つけてきた新しい僕の住処は思った以上に良心的な価格設定だった。

 

(おじいちゃんのことだから、『こっちで引き落としするからチビちゃんはお金の心配しなくていいからネ』とか言ってきそうだなって考えてたんだけどなぁ…)

 

日当たりよく、ちょっと歩けばスーパーもあって。

駅までは少しかかるけれど、それもウマの走力を考慮すれば問題にもならないから…まぁ良い物件なのだろう。

 

「ま、いっか」

 

そうひとりごちて、僕は部屋の片付けを始める。

いつか、誰かがこの部屋に来る時だってあるだろうし。

そう思うと整理整頓しておくのに越したことはない。

 

「…と言っても、あまり荷物はないんだけどね」

 

 

「そういやシルバーの家っていい場所にあるよねぇ」

「そう?」

「そうだよ!アタシは学園に近い場所とかそういうので合わせたけど、ここはスーパーも近いし、そこそこの公園だってあるでしょ?」

「…言われてみれば」

「でしょー?」

 

気づけばひとり暮らし同士、こうやって交流を持つようになっていた。

約束をすることもなく、来たかったから来たでフラっと合流するこの生活は何だかんだで楽しい。

 

「でも、シルバーがひとり暮らしってなんか意外だよねー」

「そう?」

「うん。だってシルバーっていつも誰かと一緒じゃない?」

「……まぁ、それはそうかもだけど」

 

確かに自分はひとりでいることの方が少ないかもしれない。

けど、それを言うなら……。

 

「ミスターもいつも僕と一緒じゃない」

「え、」

「そりゃあルドルフとかカツラギとも話してる時は話してるけどさ、でもほとんど…」

「わー!ストップ!!」

 

突然、ミスターが大声を上げて僕の言葉を遮る。

その顔は真っ赤で……。

 

「……どうしたの?」

「な、何でもない!」

 

そう言ってブンブンと首を振るミスター。

 

(……なら良いけど)

 

でも、それならどうしてミスターはあんなに顔を赤くしたのだろう?

 

(はて?)





僕:
シルバーバレット。
家族が過保護。
故にひとり暮らししている場所は「どこからこんなん見つけてきた!?」レベルのお宝掘り出し物。
駅から遠いのが唯一のネックだが、ウマの身体能力考えればそうでもないのだとか。
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