さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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まだまだ焼くよ〜!



脳焼き…

白峰透は、今もなお現役の騎手だ。

彼の年齢が、かの『大井の帝王』のひとつ下ということを鑑みればその偉大さがわかる。

 

「僕としてはもっと乗りたいんだけどねえ…」

 

かつてはG1という桧舞台を何度も踏んだレジェンドだったが、今となっては老いを心配され、乗鞍も全盛期と比べれば随分と少なく、基本は新馬戦や未勝利戦に騎乗するのみとなっていた。が、

 

「どうしよう…透にいちゃんの言うことしか聞かねぇよコイツ…」

「アハハ…」

 

ある時のことだ。

その日も新馬戦に騎乗した。

しかも久方ぶりに従兄弟である灰方誠(旧姓白峰)が管理する素質馬にだ。

父方にミスターシービー、母方にトウカイテイオー…つまりはシンボリルドルフの血を持つ、オールドファンなら垂涎ものの血統背景の馬だった。

その馬の名前は───Goodbye (グッバイ)Sunset(サンセット)という。

 

 

「…キミは、いい馬だね」

 

そう透が呟くBGMには割れんばかりの歓声が被って。

なにせ、史上最年長ジョッキーの無敗三冠達成という、歴史的快挙の瞬間だったのだから。

 

「おめでとう、透にいちゃん」

「ありがとう。……でも、まだジャパンカップと有馬記念があるからねぇ」

「朝日杯もNHKマイルも宝塚も、出られるレース全部掻っ攫ったクセになに言ってるんだか」

「安田とスプリンターズS獲ってないだけまだマシだよ。あ、あとダートも」

 

ぽてぽて、と本日のヒーローの頭を撫でれば、嬉しそうに嘶いて。

まあそうしないと写真とかそういうのを撮らせてくれないってのもあるのだけど。

 

 

「「おっしゃあああッッ!!!!」」

 

響いた雄叫びに、その小柄な馬は耳をぺたりと。

 

「…うるちゃい」

「まあ、仕方ないんじゃねェの?」

「それはそうだけどぉ…」

 

小柄の馬が見やる先には、やれ「あの子は自分に似た」と、今度は争い始める二頭がいて。

 

「うるさいよ〜、ミスターにルドルフぅ」

「「うっ」」

 

争いの主はミスターシービーとシンボリルドルフ。

自身の血を持つ子孫-グッバイサンセットが三冠を獲ったことで、彼らは大層興奮していたのだ。

 

「まあ、気持ちはわかるけど」

「だろ?」

「……でもさ、僕の直系でもあるんだけど?」

「「うっ……」」

 

二頭の耳がへたっ……と萎れる。

そうなのだ。

グッバイサンセットは父シルバーバレット、母父ミスターシービーのシービーサンライズが父父だ。

 

「それにあの子はあの子だよ。重ね合わせちゃダメ」

「「…」」

「そんなに喧嘩するなら走ってきたら?」





実はサンセくんにはまだ【神賛】や【聖なる光】や【シャドーロールの怪物】の血が入ってるとか…?
また【白猫】競走馬世界線だと脳焼き具合がもっともっと…ハイ。
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