ほぼ人前に姿を現さないタイプなんだ。
最近、トゥインクルシリーズに所属している選手に似た、いわゆる『ちび』と呼ばれるぱかプチにそっくり(でも動く)な生物の目撃情報がよくあげられるようになった。
中にはそのちびに懐かれて共に暮らしている人もいるようで、同じ種類のちびと暮らしている人同士で情報交換を行える程度にはちびたちそれぞれにそれなりの個体数がいるらしいことが分かっているが…。
「おはよう、バレット」
『オハヨウ、ゴザイマス』
僕と一緒に暮らしているちびは『ちびバレット』と行政により名付けられた。
俗にいう新種のちびであったようで、どういった生態なのかを日々渡された書類(日報風)に書き記すことになったのはそれはそれ。
今のところイタズラもしないし、大人しい性格だし、家事全般ができるところを見ると手先も器用だ。
ちびだけど。
「今日は早めに帰れるから、晩ご飯は僕が作るよ」
『ボクガツクリマス』
「バレットはまだ子どもだからダメー」
『ボクガツクルンデス!』
ぷんすかと怒る姿は可愛いのだが、それでも譲るわけにはいかない。
いくら僕が人としての生活に向いていない人間であっても、自分よりもずっとずっと小さい相手に世話されて生きるというのは…さすがにどうかと思うのだ。
『センセェ』
「ん?なぁに?」
『ボク、コドモジャナイデスヨ?』
「うん、そうだね」
『タシカニチイサイデスケド』
「いや、バレットは子どもというより……まだ幼体のちびって感じかな……」
『……ミ』
しょんぼりと肩を落とすちびバレットを宥めながら僕は身支度を整えて玄関に向かう。
ちびバレットはちょこちょこと僕の足元についてきて、僕が靴を履くのをじっと待っている。
可愛いなぁと口元がにやけそうになるのを堪えながら、僕は立ち上がって玄関の扉を開けた。
*
ちびバレットには同種族であるちびバレットが何人かいたが。
たぶんこうしてヒトミミと一緒に暮らしているのは自分だけだろうとどことなく考えていた。
ちびバレット同士でお互いに助け合いながら過ごす日々の中で、足を怪我して雨に降られ動くに動けなくなっている自分を助けてくれたのが、今の『センセイ』だった。
センセイはヒトミミで、自分はちびだ。
種族が違うからセンセイとは寿命からしてそう遠くない未来にお別れしてしまうだろうが、それでも自分にとって大事な存在なのは変わらないし、これからも一緒に居たいと思っている。
だからこうして家事をして少しでも役に立ちたいのだが……なかなか上手くいかないものだなぁとしょんぼりしてしまう。
「ただいまー」
玄関の方からセンセイの声が聞こえてきて、僕は慌てて玄関に向かう。
センセイにただいまを言ってもらえるようにお出迎えするのも大事だからだ。
「オカエリナサイ!」
ちびバレット:
読んで字のごとく。
いちおう他個体もいるようだが、ヒトと暮らしているのは今のところこのちびバレットだけらしい。
なので会えたらめちゃくちゃレアってタイプ。
…ちびバレットの群れがいた!って写真撮っても変にブレそうだなぁ。