作者はメスガキ初心者なのでいじめないでくだしあ。
私はTSメスガキである。
名前はまだ決まっていない。
モニターを見て、コントローラーを細くなった指で流れるように操作する。
イヤホンから聞こえる小気味よい乾いた連射音、放たれた弾丸は狙い通りに敵プレイヤーの胴体と頭に吸い込まれる。
舞う血飛沫、派手なエフェクト、変な名前のキルログ。
「ざーこ♡ざーこ♡ FPS下手くそ♡ネット解約しろ♡」
こんな事を言っているが、マイクの類は全く繋いでいない。
ボイスチャットを繋いでいないのをいい事に言いたい放題。流石に生の人間相手に煽るのは度胸がない。結果的に話しかけているのは虚空であった。
どこからどう繋がるかわからないのが縁、ただでさえ存在が危ないメスガキなのに、わざわざ危険を呼び込む必要は無いのである。
「エイムガバガバ♡射線スカスカ♡」
聞こえるのは、おっさんの罵声では無く、銃声に釣られた複数の敵の足音。
頼れる味方は先ほどの激戦で死んでしまっている。
味方は全滅、敵は多数、頼れるのは己の実力と幸運のみ。
「何人かかって来ても殺せない♡戦力の逐次投入♡」
隠れて敵同士をぶつけ、削れた所を漁夫り、更に釣れた敵を一人で捌く。
銃声、爆発音、罵声、断末魔。
更に煩くなる戦場。
「ざーこ♡闘争心だけは立派♡技術が足りて無い♡」
それでも最後まで生き残り、戦場に静寂をもたらしたのは、私。
「ざーこ♡ざーこ♡雑魚ばっか♡練度ごみ♡」
私ことTSメスガキである。
──────────
「検査の結果、貴方は後天性幼女化症と診断されました」
「は♡? なにそれ♡本気で言ってるの♡?」
「はい。これは最近確認された病気で、後天的に幼い女児の姿にいきなり変わってしまう。そうゆう病です。原因は不明、有効な治療法もまだ発見されていません」
「じゃあこの口調は♡どうなってるのかな♡」
「まだ研究が進んでいないので、なんとも言えませんが、その……いくつか報告されている症例では、口調が特徴的な物に変わるとか」
「……この口調はどうにかできないのかな?」
「論文では人をその口調で人を煽る事である程度緩和されると報告されています」
「なんで?」
「わかりません……」
──────────
「つかれたー」
すっかりメスガキ口調が抜け、椅子にもたれかかるすらっとした幼女。もちろん私ことTSメスガキである。
「今日もなにもできなかったぁ」
時刻は午前2時、昼に起きてコーヒーと食事を取り、この時間までぶっ通しでゲームもといメスガキ欲求発散をやってしまっていた。
「動画でも見ようかな」
椅子の背もたれに体重を預けながら、動画サイトを開こうとしていると、今日のニュース記事が目に入る。
タイトルは『後天性幼女化症の患者が誘拐』
「コンビニ飯が恋しい」と言い残し、脱走。
歩いて5分の所のコンビニに行こうとするも、通行人と口論。
その後ミニバンに詰め込まれている所が、監視カメラに写っていたと言う。
「こわ……お外こわ……」
医者からは人間社会の危険性について口酸っぱく言われているが、いざ同じ境遇の者がこんな目に遭うと、現実味が増して、明日は我が身なのだと実感してしまう。
社会は子供には優しくしてくれるが、メスガキには優しくない。
「今日は早く寝よ」
どうせ明日もやる事は無いのだ。
さっさとシャワーでも浴びて寝よう。
気持ちが沈んでいる時は寝るに限る。