学校に向かう途中一花と会った紫水は仕事モードで一花に話しかけた。
「一花明日の映画完成披露試写会後のパーティーは19時からで変更ないか?」
「変更はないよ。人数も今のところ変更はないよ」
1月に上杉がバイトしているケーキ屋で撮影した映画が遂に公開されることになったのだ。
そこで一花は監督に紫水に店で映画完成披露試写会のパーティーをしないかと提案したのだ。監督はもちろん出演者含む全員が賛成したため、一花が仕事用の紫水の番号に電話して貸し切りの立食パーティーをすることになった。
紫水は時間変更がないか聞くと、一花は変更はないと言い、人数の変更もないと言った。
「明日は楽しみにしてろ。いい食材も届くからな」
「一体何が来るの?」
「内緒だ。その方がいいだろ?」
「そうだね、楽しみにまってるよ」
紫水のいい食材に期待を寄せる一花だった。
「えー、我々も三年生になったということで・・・」
午後のホームルームの進行役は正真正銘、学級長の役目であるが、上杉はやる気なさそうに四葉と教壇に立った。
「すみませーん。上杉学級長。声が小さくて、何を言っているのか聞き取れません」
武田がキラキラ笑顔で「もう少し大きくお願いします。ね?」とウインクを送る。
「一学期のメインと言っていい、あのイベントについて話し合いたいと思います!」
上杉はイラッとして声を張った。
「いよいよ始まります!」
四葉がニコニコして続けると、上杉はやる気満々で教卓に身を乗り出した。
「全国実力模試が!」
「修学旅行ですね!」
上杉の声に四葉の声がかぶる。
「みなさん、全力で楽しみましょー!」
「おー!」
クラス全員、大いに盛り上がっている。
「えー、そっちか・・・」
ぼっちの真骨頂と言おうか、教室で一人だけベクトルが違う上杉であった。
「それでは映画の完成を祝って、乾杯!」
『『『乾杯!!!』』』
料理は・・・
春キャベツと卵のごまマヨサラダ
新玉ねぎと真鯛のカルパッチョ
桜エビのかき揚げ
アスパラガスの生ハム巻き焼き
長芋のステーキ
アスパラガスのミルクスープ
かつおのたたき
たけのこ、アスパラガス、菜の花、こごみ・わらび・ぜんまいの天ぷら
真鯛の姿焼き
鰆のムニエル
山菜の炊き込みご飯
いちご・キウイ・マンゴーの各アイス
神戸牛のヒレステーキ
そして今回北海道オホーツク海の毛ガニを一番いいのを仕入れていた。
北海道オホーツク海の毛ガニは肉厚で甘みが強い。
カニ鍋
焼きガニ
カニ味噌甲羅焼き
カニグラタン
カニ寿司
そしてカニ鍋の〆にカニ雑炊
が机に並べられている。ステーキと天ぷらはライブクッキングとなっており、出来立てを食べることが出来る。
「美味しい!」
「箸が止まらない!いや止められない!」
「今まで生きててよかった!」
出演者達は大喜びで舌鼓を打つ。中にはあまりの嬉しさで泣いている者もいる。
「流石シスイ君だね、どれも美味しいよ」
「満足していただけたようで、よかったです」
一花は監督に挨拶に来た後の紫水に話しかけた。
「あはは!、仕事モードだと硬いね」
「他の皆様の目線もございますので」
「それもそうか、シスイ君の邪魔しちゃ悪いから私いくね」
「ごゆっくりお食事をお楽しみ下さい」
軽く雑談して一花は天ぷらのブースに向かった。
パーティーも終盤に差し掛かろうとした時、店の電気が消え、厨房の入り口にスポットライトが当てられた。
「皆様こちらは私共からのお祝いの品でございます」
マイクを持った紫水が言うと、3段重ねのケーキが厨房からカートに乗って運ばれてきた。
『『『おおおおおおおお!!!』』』
まさかのサプライズに全員が盛り上がった。
サプライズのケーキも食べ終わり、最後には従業員含め全員で写真を撮って終わった。
「さて、どうしょうか」
パーティーから数日、中野家ではこたつに入った五つ子が難しい顔をしていた。
「シスイ君の誕生日が明後日十日。そして・・・」
「フータローの誕生日」
紫水と上杉の誕生日に何を送るか悩んでいる。
「料理だとアタシからの贈り物になってしまうし・・・」
「かと言って各自で用意して渡すのは効率が悪いです」
今回五つ子達は紫水には五つ子達5人から誕生日プレゼントを贈ろうと決めていた。
理由としては中間試験以降は無償で家庭教師をし、美味い料理を何度も食べさせてもらっているからだ。
「そうだ!」
四葉が名案を思い浮かべたのか立ち上がった。
「どうしたの四葉?」
三玖が四葉に聞く。
「紫水さんに
四葉がスマホの画面を4人に見せる。
「いいのではないでしょうか」
五月が言うと3人も頷いた。
「それじゃ買いに行こうか」
「「「「おーーー!!」」」」
一花が言うと二乃達が答えた。
途中上杉と会った五つ子達は紫水の誕生日の事を教えると、上杉はダラダラと汗を流し始めた。
「(東雲の誕生日か・・・俺もらいはも東雲には世話になってるし・・・らいはに相談して俺も誕生日プレゼントを・・・)用意するか・・・」
「アンタが誕生日プレゼントを用意するなんて・・・」
上杉が用意すると言うと、二乃が唖然とした表情で呟いた。一花達も声に出していないが驚いている。
「じ、じゃな」
そう言い上杉は早くもない走りで走って行く。
五つ子達は、ハッっと意識を戻して目的の場所に向かった。
そして紫水の誕生日
運がいいことに紫水は後半シフトだった為、五つ子達は自分の家に紫水を招待した。
「シスイ君、お誕生日おめでとう!!」
「「「「おめでとう/ございます!!」
居間に入ってきた紫水に、一花がクラッカーを鳴らしながら言うと、二乃達もクラッカーを鳴らしながら言った。
「そっか今日は俺の誕生日だったか」
「忘れてたの?」
紫水が自分の誕生日を思い出したかのように言うと、三玖が忘れていたのか聞いた。
「最近忙しかったからな」
「そんなことだと思ってたわ。だから川島さん達が今日休むか、前半か後半のシフトにしたの」
「そうだったのか」
「川島さん達に相談したんですよ」
二乃と五月が川島達に紫水の誕生日を相談すると、協力してくれることとなり、紫水の誕生日会を開けることとなった。
「この後も仕事があるから軽くつまめる物を作っているわ」
「私と五月も作ったよ」
「飾りは私と四葉でやったんだよ」
二乃が食事を作っていると言うと、三玖が自分と五月も作ったと言う。
一花が四葉と一緒に飾り付けをしたと言った。
「ありがとうな皆」
「そしてこれが私たちからの誕生日プレゼント!」
紫水が礼を言うと、一花が姉妹を代表して紫水に誕生日プレゼントが入った紙袋を渡した。
「ありがとう。開けてもいいか?」
「ええどうぞ」
紫水が開けていいか聞くと、五月が代表して言った。
「これは・・・」
開けると腰に巻くタイプのソムリエエプロンだった。ポケットが左右に付いており、裏側には『いつもありがとう。中野一花、二乃、三玖、四葉、五月』の刺繍が入っていた。
「刺繡まで。本当にありがとうな」
紫水は感激し五つ子達に頭を下げた。
「頭を上げてシスイ。それにお礼を言うのなら四葉に言ってあげて」
「そうです四葉がエプロンを提案してきたのです」
三玖が言うと五月が続いた。
「そうだったのか、ありがとうな四葉」
「いえそんな!それに裏の刺繍は一花の案なんですよ」
紫水に礼を言われ四葉はブンブンと頭を振り、刺繍は一花の案だったと言う。
「一花もありがとうな」
「もうお礼はお腹一杯だよ、それより折角の二乃と三玖と五月ちゃんの料理が冷めるし、早く食べよ」
「そうだな。二乃、三玖、五月有難く頂く」
一花に礼を言うと、もう礼は腹一杯だと言い、料理を食べるように言うと、二乃達3人にも礼を言う。
「さあ食べましょう」
「今日はコロッケ以外も二乃と五月に見てもらって作ったから、感想教えて欲しい」
「ゆっくり英気を養って下さいね」
二乃、三玖、五月が言う。
中野家で誕生日会の後自宅に着くと、上杉とらいはがいて、紫水に小さなケーキを渡した。
上杉がらいはに相談した結果、らいはがケーキを作りたいと言い、上杉がバイト先の店長にお願いして、店でらいはがケーキを作る許可をもらった。流石に小学生一人に作らす訳にはいかないので、店長と、副店長がらいはに付きっ切りでケーキ作りに付き合った。
らいはがケーキを作り、上杉がチョコプレートに、誕生日おめでとうの文字を書いた。
「ありがとうな2人とも。仕事終わりに大切に食べさせてもらう」
紫水はケーキを受け取り、礼を2人に言った。
その後店の従業員からも誕生日を祝われた紫水だった。
五月をLe lienで働かせるか
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