「正直に言うわ。私はあなたのことが嫌いだったわ、須藤くん」
「なっ!?」
「最初はあなたのことをロクな努力をせず、バスケに対しても真摯な態度で望むことの出来ない人だと思っていた。けれどあなたはバスケットに情熱を注いでいるのはよく分かったわ。そんなあなたがバスケットのプロを目指す道の厳しさを理解していないわけがない」
「あぁ、でもどれだけ厳しい道だったとしても俺はぜってぇあきらめねぇ」
「そう。私はあの時、あなたのことを理解しようともせずに頭ごなしに否定したわ。けど今は後悔している。なにも考えずにあなたを否定してごめんなさい」
堀北が須藤に謝罪すると、次に池と山内に顔を向けた。
「私は、あなた達にもひどいことをいったわ。今さら自分勝手だとは分かってる。けれど私はあなたたちを理解するための努力をしていくつもりよ。だから3人とも私に力を貸してほしい」
「...やっぱり俺は参加しねぇ」
須藤が立ち上ろうとする。やはり一度プライドが傷つけられたことに納得がいってないようだ。
「なぁ櫛田。もう彼氏は出来たのか?」
不意に綾小路が櫛田に場違いな質問をぶつけた。
「えっ?えっ?いないよ、っていうかいきなりなに!?」
「50点取ったらオレとデートしてくれっ」
綾小路がしゅばっと手を差し出す。
「は!?おま、なに言ってんだよ綾小路!?俺とデートしてくれ!51点取るし!」
「いやいや俺だ!俺とデートを!52点取って見せるから」
「こ、困ったなぁ......。私、テストの点数なんかで人を判断しないよ?」
「ほら、勉強を頑張ったご褒美みたいなものが欲しいんだ。池と山内も乗り気みたいだしさ」
「じゃ、じゃあこうしない?テストで一番点数の良かった人と、そのデートするってことでいいなら」
「うおおおおおおお!!!やる!やるやる!やります!」
「なぁ、須藤。お前はどうする?これはチャンスかもしれないぞ?」
綾小路が須藤に向かって言う。
「.......デートか。悪くねぇ。ったく、仕方ねぇな....俺も参加してやる」
「覚えておくわ、男子は想像以上に単純でくだらない生き物だということを」
【From:櫛田桔梗
必ず一番になれ】
【From:比企谷八幡
いや。俺 会話に参加してないけど?】
【From:櫛田桔梗
ねじこむから問題ない】
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木曜日。いよいよ、明日はテスト本番だ。ホームルームを終え茶柱先生が教室を出た後、櫛田が立ち上がった。
「皆ごめんね。帰る前に私の話を少し聞いて貰ってもいい?実は私、先輩から過去問を貰ったから皆に配ろうと思ってたの」
渡された過去問を見る。小テストと過去問を見比べてみるとほぼ同じだ。櫛田曰く、中間テストの内容もこの過去問もほぼ一緒らしい。
「スゲーよ!櫛田ちゃん!」
「これは他のクラスのやつには内緒にしようぜ!全員で高得点とってびびらさせるんだ!」
周りは皆櫛田に感謝し、堀北も素直に礼を言う。これがあればDクラスが他のクラスを出し抜くことも考えられる。