ギリギリのラインを狙いすぎたか。もう少し赤点ラインに余裕があると思っていたが、過去問の存在は大きかったのだろう。
結果は結果だ。受け入れて机の整理を始めると綾小路と堀北が教室を出ていった。
ちっ。櫛田にメールした後、彼らを追いかけた。
【From:比企谷八幡
ポイント貸してくれない?】
【From:櫛田桔梗
死ね】
……
「どうした、綾小路。もうじき1限目が始まるぞ?」
「茶柱先生、答えて欲しいことがあります」
「今の日本は…社会は平等であると思いますか?」
「随分とぶっ飛んだ質問だな、綾小路。答えよう。私なりの見解で言えば、当然、世の中は平等なんかではない。不平等だ。」
「はい。オレもそう思います」
「何が言いたい?」
「オレたちのクラスには一週間テスト範囲変更の遅れがありました」
「その件に関しては職員室でも話したはずだが?」
「世の中は不平等であるが、平等にあらなければならないとされている」
「なるほど、学校に不平等を起こした分の対応を取れということだな?だが嫌だ、と言ったら?」
「それが正しいジャッジなのか、然るべきところに確認を取るまでです」
「惜しいな。お前の言い分は何一つ間違っていないが、その申し出は受け入れられない。比企谷は退学だ。現段階ではそれは覆らない。諦めろ」
やはり含みのある言い方だ。現段階では覆らない。それは他の手段があると暗に示している。ここでも俺たちに何か気づかせようとしているのか。
「茶柱先生、単刀直入に聞かせてもらいいます。比企谷のテストの点数を一点売ってもらえませんか?」
すると茶柱先生は笑いながら答える。
「やはりお前は面白いやつだ。いいだろう。特別に10万ポイントでいいぞ。この場で支払えるなら売ってやろう。どうだ?」
「私も出します」
背後に振り返るとそこには堀北が立っていた。
「いいだろう。比企谷に一点を売るという話確かに受理した。お前達から退学取り消しの件伝えておけ」
「そうだ。お前達に1ついい事を教えてやろう。比企谷は入学2日目でポイントで購入できる事に気づいていたぞ。」
堀北とともに教室に戻る途中、比企谷が立っていた。
「おい。いくらだった?」
「なんの事かしら。」
「お前達が俺の点数を買ったポイントだ。」
やはり茶柱が言ったようにポイントで点数が買えることは把握していたか。
「で、いくらだ。」
「10万ポイントよ。」
それを聞くと比企谷は携帯を操作した。
「今、綾小路に10万送信した。それで、今回の件はチャラだ。」
「そんなわけな「いや。確かに10万送信されている。」なんですって!?」
「俺は養われるつもりはあるが施しを受けるつもりはない。」
そう言って教室に戻ろうとした。
「比企谷くん」
「なんだ?」
「Aクラスに上がる為、私達に協力してくれないかしら?」
「なんで?」
「あなたはDクラスのままで不満はないというの?」
「ないな。仮にAクラスになったとしても俺の希望は叶えられない。」
「あなたの希望って何?」
「専業主夫」
「えっ?」
はっ?専業主夫??
「仮にAクラスになっても、俺が専業主夫になる為に国がなんらかの斡旋してくれることはないだろう」
「だから積極的にAクラスを目指す理由がない。」
俺も堀北も何も言えず比企谷を見送る事しかできなかった。
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「あれはどういう事かな?」
「なんのことだ」
「英語の点」
「バカを助けてやるギリはないし、
頼まれてたわけでもないよね?」
「櫛田が言ったんだろ?」
「はぁぁぁ〜??何を「分かった。私がなんとかする。して見せる。皆とお別れなんていやだから」っ!?」
「実際、須藤を助けたのは櫛田と堀北だ。」
「俺は少しお前を手伝っただけだ。」
食費は無料コーナー&ほぼ櫛田さん持ち。星乃宮先生からの不定期収入で10万ポイントは所持してました。