「カンパーイ!」
中間テストから一夜が明け、その次の夜、勉強会メンバー(比企谷以外)は綾小路の部屋に集まっていた。
「どーしたんだよ、そんな暗い顔して。みんな退学にならずに済んだんだぜ?」
「それはよかったと思うし、それで祝賀会を開くってのは賛成なんだが、どうしてオレの部屋なんだって思って」
「俺の部屋は散らかってるし、須藤と山内も似たような理由。女の子の部屋はさすがにマズいだろ?いや、俺としては櫛田ちゃんの部屋とかがいいけどさあ。……にしても綾小路の部屋は何もないよな」
「入学して二月ちょっとだぞ?しかもポイントも0だったんだから何かあるって方が不思議だ」
「櫛田ちゃんはどう思う?」
「うーん、やっぱり綺麗な方がいいよね」
「だってよ!よかったな櫛田ちゃんに褒められて。ははははっ」
「それにしても本当に危なかったよな、中間テスト。もしも勉強会を開いてなかったら俺はともかくとして、池と須藤は絶対赤点だったよなあ」
「は?お前だってギリギリじゃねーかよ」
「いやいや?俺は全力出せば満点だし。マジでマジで」
「でも、これも堀北さんのおかげだよね。みんなに勉強を教えてくれたんだもん」
「私はただ自分のためにやっただけ。退学者が出るとDクラスの評価が下がるからよ。別にみんなのためじゃないわ」
「そこは嘘でもみんなのためって言っておくところだろ。好感が上がるぞ」
「まあ……でもよ、案外いいヤツだよな。堀北は」
……
祝勝会も終わり最後まで部屋の片付けを手伝ってくれた櫛田と2人になった。
「うん。これでだいたい終わりかな。綾小路くん他に手伝える事ある?」
「十分だ。あとはオレ一人でも大丈夫そうだ。」
「わかった。今日は遅くまでごめんね。じゃあ、そろそろ帰るね。」
部屋に櫛田と二人。この機会をみすみす逃すわけにはいかない。オレは意を決して櫛田に話かける。
「もう少しだけ大丈夫か?櫛田」
「うん。大丈夫だけど、何かな?綾小路くん」
「櫛田は比企谷と同じ中学だったな。比企谷について教えてくれないか?」
「比企谷くん?う〜ん……と言われてもみたままだと思うけど……」
「質問を変えよう。今回の英語の点数だが、櫛田は53点だったな。あれはなぜだ?先に過去問は渡していたし、実力というわけではないだろう?」
「……別に秘密でもないし……綾小路くんならいいか。比企谷くんに頼まれたからだよ。」
「打ち合わせの時には赤点の仕組みに気づいていた比企谷の事だ。須藤を救うために平均点を下げようとするのは分かる。」
「だが普通は間違っても退学にならないよう50点以上は確保するはずだ。」
「普段からクラスに関わろうとしない、須藤とも特別仲がいいわけでもない比企谷がなぜあの点数だったのかが分からない。」
「と言われても……比企谷くんだからかな?」
「比企谷だから?」
「比企谷くんは誰かを助けるために自分が犠牲になる事を厭わない。彼が救おうとしている中に彼は含まれていないんだよ。だから、綾小路くんが動かなかったら退学するつもりだったんだと思う。」
「今回私も綾小路くんに感謝してるよ。」
「もう一つ聞かせてくれ。」
「櫛田にとって比企谷は何だ?」
「もちろん!1番大事な人だよっ。」
そう答えた櫛田の笑顔はいままで見たことのない
[ホンモノ]だった。
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「将来の目標は専業主夫らしいが本当なのか?」
「紛れもなく本心だよっ」
この回で1巻完結です。ここまでお付き合い頂き、本当にありがとうございます。
先の回でも書きましたが1巻分のストーリーは思い描いていましたので、休日を利用して一気に投稿してしまいましたが、2巻以降は全くのノープランです。
当初考えていたより多くの人に読んで頂き、様々な感想も頂きましたので続けれるよう努力したいとは思います。