ようこそ正反対の二人がいく教室へ   作:ゆうき35

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幕間(趣味回)を予定してましたが、内容がまとまらず2巻に進みます。


2巻
暴力事件(一話完結)


「おはよう諸君。今日は空気が違うな」

 

ホームルームの開始を告げる音とともに、茶柱が教室へと入室してきた。

 

「佐枝ちゃん先生!俺ら今月もまたポイントゼロだったんすか!? 俺たち結構頑張ったと思うんですけど...朝見たらポイントが何一つ変わってなくて....」

 

「勝手に結論をだすな、池。お前たちが頑張ったことは、学校側もしっかり把握している」

 

「では、今月のクラスポイントを発表する」

 

茶柱先生は持ってきていた紙を取り出して、黒板に貼り付ける。それを見ると

「87ってことは……プラスってことだよな!よっしゃあ!」

 

池が歓喜の声をあげ、他の生徒も沸き立つ。

 

「池、2カ月ぶりのポイントで喜ぶのはわかるが他のクラスのポイントを見てみろ。お前たちと同等か、それ以上のポイントを増やしているだろう。今月はテストを乗り切ったお前たちに対するご褒美のようなものだ。全クラスに最低100ポイント支給されただけにすぎない」

 

「そういうことですか。どうりで全クラスのポイントが綺麗に上昇していると思いました」

 

堀北が茶柱先生に向かって言う。

 

「堀北は嬉しくないようだな」

 

「そんなことはありません。この結果から分かることもありましたから」

 

「え、なんだよ分かることって」

 

「私たちに負債はなかったってことよ」

 

「え、負債?」

 

平田が補足する。

 

「これまで4月や5月に重ねてきた私語や遅刻は見えないマイナスポイントにはなっていなかった、ということだと思うよ」

 

「そっか。見えないマイナスがあると今月もゼロのはずだもんな」

 

「あれ?でもじゃあなんでポイント振り込まれてないんすか?」

 

「少しトラブルがあってな。1年全体のポイントの支給が遅れている」

 

「えー、学校側の不備なんだから、お詫びのポイントとかないんですかあ?」

 

「そんなことを私に言われても困る。判断するのは学校側だからな。トラブルが解決され次第、問題なくポイントは支給されるはずだ。ポイントが残っていれば、の話だが」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その夜、いつもより遅い時間に櫛田が部屋にやってきた。

 

「あの赤髪殺す……中間テスト1人の力で乗り切ったとでも思ってんのか!?」

 

部屋に入るなりアクセル全開。ブレーキが壊れているまである。

 

「あの?櫛田さん??」

 

「聞いて!!八幡!!!」

 

放課後、櫛田達は須藤に呼ばれてトラブルの内容を聞かされ、助力を求められたようだ。

 

「で、どうするんだ??」

 

「須藤はどうでもいいけど、ポイントがなくなるのは困る。協力はするつもり。須藤はどうでもいいけど。」

 

「今回の件、相当やっかいだぞ。」

 

「うん……。進展あったら相談するね。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次の日、須藤の意に反して全クラスに先生からトラブルの内容が告げられた。

 

「みんな、少し私の話を聞いてくれないかな?」

 

櫛田が立ち上がった。

 

「確かに須藤くんは喧嘩をしちゃったかもしれない。けど本当は巻きこまれただけなの」

 

「巻き込まれたって、櫛田ちゃんは須藤の言ったことを信じるのかよ?」

 

「改めて聞くよ。もしもこのクラスの中や、友達や知り合いに目撃者がいたなら、連絡してほしいな。よろしくお願いします」

 

そう言って、櫛田は頭を下げた。

 

「僕は信じたい」

 

そう言って立ち上がったのは、平田だった。

 

「他のクラスの人を疑うならわからなくもない。でも、同じクラスの仲間を信じてあげられないのは間違ってると思う。精一杯協力してあげられるのが友達なんじゃないかな?」

 

「私もさんせー」

 

平田の言葉に女子のリーダー格の軽井沢が賛同の意を示した。

 

クラスのリーダーの平田、女子のリーダーの軽井沢。そしてみんなのアイドル櫛田が須藤を擁護する形に回ったため、他のクラスメイトたちもそれに続いた。

 

今後の対応をクラスで話し合ったが、今回の件、できる事は少ない。結果、目撃者探しを手分けして行う事になったらしい。

 

……

それから2日。綾小路はBクラスの協力を取り付けたようだが有力な手がかりは未だ見つかっていない。

 

「はぁ…今月もポイント0かぁ〜」

「事件の目撃者どこかにいないかなぁ……」

 

「目撃者ならいるだろ?」

 

「えっ。どういう事??」

 

「少なくともうちのクラスの地味眼鏡美少女は目撃者だと思うぞ。先生の時も櫛田が皆に呼びかけた時も、目を伏せるようにしてたからな。」

 

「地味……?眼鏡……??美少女……???

 もしかして佐倉さんの事?」

 

「名前は知らん」

 

「ううん。きっと佐倉さんだよ。明日聞いてみる。」

 

「やめといたほうがいいぞ。」

 

「はっ?何で??」

 

「本人が今まで申し出ていないのは、理由があるんだろ。他人がとやかく言う事じゃない。」

「それに、この段階でDクラスの生徒が目撃者でした。って言っても信憑性は低い。やるだけ無駄だ。」

 

「じゃあ…八幡ならどうするの??」

 

「そもそも櫛田はどうしたいんだ?」

 

「クラスポイントを守りたい♪」

 

「それは無理だ」

 

「なんでよっ」

 

「みんなは須藤がはめられた事を証明するために目撃者を探しているが論点がズレている。」

 

「どういう事?」

 

「仮に須藤が嵌められた事が証明できてもCクラスの生徒を殴ったことは認めちまっている。この時点で負けは確定だ。今すべき事は真実を明らかにする事ではない。

どうすれば減刑になるかを考えるべきだ。」

 

「そういうこと……八幡は手伝ってくれないの?」

 

「今回に関して、俺にできる事は何もない。」

 

「じゃあ…仮に嵌められたのが須藤じゃなく八幡だったらどうするの。」

 

「呼び出されても行かないが??」

 

「仮にだよっ」

 

「高円寺か綾小路に頼んで、山内と池をぼこぼこにする。」

 

「っ。なんでっ?!」

 

「で、Cクラスの女子にキモいって言われて殴られました。と訴えさせる。」

 

「いや。キモいのは事実だけど、他は嘘だよね?」

 

「誰も嘘だと証明できんだろっ。今回の件と同じだ。」

 

「でも、また嫌がらせされるかもよ?」

 

「かまわん。同じ事を繰り返すだけだ。どうせなくなるポイントなんて微々たるものだ。Dクラスはずっと貧乏ぐらしだからな。失うものなんてないだろ?そのうち勝手にCクラスが白旗あげてくれる。」

 

「ワタシ……何があっても八幡を敵にしないようにするよ」

 

……

 

その後、2回目の裁判前にCクラスが訴えを取り下げたらしく、この件はお咎めなしで終わった。

 




【From:櫛田桔梗

 さっき綾小路から連絡がきて
 佐倉さんが目撃者なのか
 確認させられる事になった】

【From:比企谷八幡

 ご愁傷様(笑顔)
 で、佐倉って?】


【From:櫛田桔梗

 地味眼鏡美少女】
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