今日から期末テストが始まる。ペア2人で取るべき総合点は692点。想定よりは低かったが油断はできない。勝負は試験前半、初日で決まると断言していいだろう。お互いの問題文のレベルにどこまで迫れるかという勝負だ。
期末テストの初日の内容は現代文、英語、日本史、数学の4科目。初っ端から比企谷が考えた問題だ。オレも最終稿をみせてもらったが、おそらくCクラスの士気はこれで下がるだろう。
あの問題が解けるのはある意味龍園以外思いつかない。それでいて、30点以上は確実にとれるバランスは素晴らしかった。
「綾小路君に伝えておきたい事があるんだ。
椎名ひよりさんって知ってる?」
登校途中そう声をかけてきたのは平田だった。
「Cクラスの生徒だよな。先日あった。
啓誠の勉強会にあらわれたんだ」
「僕のところにも来たよ。
堀北さんの裏で動いている人を探しているみたいだ」
「(想定はしていたがやはり)そうなのか」
「堀北さんの裏で動いている人物は君の事だよね?
綾小路君」
「ありがたい忠告として受け取っておく」
「否定しないんだね」
「今否定したって信じないだろ」
「それは、うん。そうかもね」
「だけど、大丈夫?
Cクラスの動きは活発になってきている。
必要なら僕は協力を惜しまないよ」
ありがたい平田の申し出だが、今の所必要ない。
「椎名って生徒には八幡という御守りがあるからな。
こっちでなんとかする。もしもの時は頼む」
「よくわからないけど…、わかったよ。
何かあれば遠慮なく言ってくれ」
……
「これより期末テストを行う。1時間目は現代文だ。開始の合図まで用紙を表にひっくり返すことは禁止されている。注意するように」
程なくして、チャイムが鳴り、試験の開始を告げる。
「では始めっ」
テスト用紙をひっくり返す。上から下へと問題を斜め読みした私はテスト中にも関わらず「ふふっ」と笑みを隠すことができなかった。
ひと目見ただけでも分かります。この問題を作ったのは比企谷くんですね。授業で学んだ作品ではありますが、内容の理解が教科書や先生のものとは全く違う。比企谷くんにはこんな世界がみえているんですね。今から読書会が楽しみです。あっ!?そっ…そうなんですね。わかりました。クラスが分かれた事でなかなか交流ができない私のためにテストという形でエールを送ってくれているのです。間違いありません。それなら私の全力をもって、期待に応えなければ失礼ですね。
椎名ひより 現代文100点
6巻ペーパーシャッフルは次回で終了です。