ようこそ正反対の二人がいく教室へ   作:ゆうき35

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混合合宿③

「もう少し時間がかかると思っていたが

 意外に早かったな」

 

2年や3年もほぼ全ての小グループを結成し終えたようだ。

 

「お前達1年に提案がある。

 これからすぐに大グループを作らないか?」

 

「南雲先輩。

 それは今日の夜に決めることじゃないんですか?」

 

「それはすぐに小グループがまとまると思っていなかった学校側の配慮。偶然にも全学年が小グループを作り終えたんだ。このまま移行してしまったほうが得だろ?」

「構いませんよね。堀北先輩」

 

「ああ。こちらもそのほうが都合がいい」

 

「ドラフト制度みたいなので決めるのも面白くありませんか。1年の小グループから代表者6人がじゃんけんして、指名順を決める。勝った順に2年と3年の小グループを指名していけば、大グループの完成です。公平かつ短時間で決まりますよ」

「1年はどうだ?このやり方に不満があるならいってくれ」

 

言い返せないと分かりながら、南雲先輩はそう聞いてきた。

 

「異論はありません」

Aクラスの的場が、1年を代表するように答えた。

2年生と3年生が分かりやすく6つの小グループに分かれると1年生のなかで5つの小グループから責任者が話し合いの場にでてくる。

 

「あとはそこのグループだけだ」

 

『ドン』清隆に背中を強く押され、俺は話し合いの場まででてきてしまった。

「あ…あいつ…。もっと方法あるだろう」

 

「代表者はお前でいいのか?」

南雲と呼ばれている先輩が聞いてくる。俺は所属する小グループに振り返ったが、皆一様に顔をそらした。

 

「はぁ。それでお願いします」

 

代表者6人が集まり、ジャンケンを始める。

結果俺達は2番目に指名する事になった。ここでの問題は俺が全く上級生の事を知らん事だ。やはり人選おかしいだろう…。

指名1番目はAクラスの的場が中心のグループ。彼らは迷わず3年生堀北兄が所属するグループを選んだ。

 

次は俺達の番だ。

「すまんが、上級生の事は全く知らん。

 誰か希望はないか?」

 

「別にどこでもいい。というか俺もわかんねーしな」

石崎以下Dクラスは同意見のようだ。

 

「南雲先輩のグループを選択してくれ」

Bクラスのメンバーが考えた末に結論をだした。

 

「他に意見のあるやつはいないか?

 いなければ指名してくるが?」

他に意見も出なかったので、南雲先輩のグループを指名した。その後も話し合いは続き、やがて6つの大グループが完成した。

 

……

「先輩達はいなくなったが、少し時間をもらおうか。お前たち責任者が決まってなかったみたいだからな」

 

南雲先輩の指摘に戸塚が少し慌てるように応対する。

なお、俺はこいつを戸塚とは認めない。

戸塚は大天使戸塚エルただ一人だ。

 

「責任者は後で決めても問題ないそうなんですが」

 

「そうだな。

 だが1年の責任者が誰か俺達も把握しておきたい。」

 

「……どうする?」

 

なんとか塚はグループのメンバーに声をかける。

 

「八幡でいいんじゃないか?

 この試験、退学のリスクはほとんどないんだろ?」

 

「お…おまっ」

 

「へ〜。どういう事か俺達にも教えてくれよ」

Aクラスの橋本がニヤニヤしながら聞いてきた。

 

「今回の試験『道徳』『精神鍛錬』『規律』『主体性』がテーマだ。どれも個人の能力に起因しないだろ。真面目に取り組むだけでいい。また、退学の基準は10人以上のグループの平均点だ。どうしても総合点は平準化する。個人で優劣はあるかもしれんが、グループ間で大きな差がつくとは考えにくいんじゃねぇか。知らんけど。」

「それに今回は3年生も参加している。卒業を間近に迎えたこの時期に退学のリスクが高い試験を準備するとも思えん」

 

「よしっ。お前、このグループの責任者やれ。

 これは命令だ」

 

「なっ…なんで俺が!?」

 

「決まりだ」

南雲先輩はそう言うとこの集まりの解散を指示した。

 

「なんというか…運が悪かったな」

その後、なぜか石崎から慰めの言葉をもらった。

 

……

「おいっ。清隆。これはどういう事だ」

 

「何のことだ」

 

「惚けんな。俺に責任者押しつけただろう」

 

「堀北兄との約束でな。今後、南雲と対峙するかもしれん。今は少しでも警戒されるわけにはいかないんでな。八幡が一番確実だ。悪いが隠れ蓑になってもらうぞ」

 

「見返りは?」

 

「この試験で取得するプライベートポイントでどうだ」

 

「わかった。だが、俺は俺のやり方しかできんぞ」

 

「あぁ。それで構わない」

 

……

初日の食事、つまり朝、バスを降りてから始めて女子たちと接触できる時間が来た。清隆も誘ったが1人で食事をとりたいとの事で食堂に一人腰を下ろす。

 

「ハチ君。ここにいたんだー。」

波瑠加が隣にやってきた。

 

「グループ決め。ハチ君達はどうだったの?」

 

「いつもは最後にどこが俺を引き取るかで揉めるんだがな。今回は龍園がいるからな。明人と啓誠が引き受けてくれたおかげでなんとなく決まったぞ。あと清隆とは同じグループだ。」

 

「へ〜。みやっちとゆきむーがねぇ〜。みやっちはなんとなく分かるけど、ゆきむーはちょっと意外かな」

 

「啓誠は明人に引き摺られた感じだな。

 そっちはどうなんだ?」

 

「女子はもっと揉めると思ったんだけどね。案外すんなり決まったかな。ほとんど、きょーちゃんのおかげだけどね。」

「Dクラスのリーダーって話だったけど、完全に全クラス把握してるんじゃない。それに1年女子のグループは私達きょーちゃんのグループが1位有力だと思うよ。」

 

波瑠加から桔梗のグループを聞いたが、どうやったらこのメンバーが集まるんだ?おそらくあいつ以外まとめられん。

 

Aクラス:『元土肥』『六角』

Bクラス:『一之瀬』

Cクラス:『櫛田』『堀北』『松下』『篠原』『佐藤』

     『長谷部』『佐倉』『王』『井の頭』

Dクラス:『椎名』『伊吹』『西野』

 

「あっ。八幡と波瑠加ちゃんだ。一緒していいかな?」

 

桔梗と愛里が遅れてやってきた。

 

「桔梗のグループ凄いな。

 それにしても一之瀬と椎名か。よく引き込めたな」

 

「なんかAクラスが帆波ちゃんを孤立させようとしてたからね〜。引き抜いちゃた。てへっ」

「ひよりちゃんは八幡を話題に出したら来てくれたよー。

 一度ゆっくりお話してみたかったんだ」

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